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ホントは臆病な、アマゾン川の人喰い魚

一般の方がピラニアに持つイメージに、『アマゾンの人喰い魚』というのがある。では、実際に人を襲うのだろうか? ピラニアについてのウソとホント。Yahoo!キッズとのコラボレーション。

長谷川 秀樹

執筆者:長谷川 秀樹

熱帯魚ガイド

メディアに拠って、作り出されたイメージ


ピラニアの強靭なアゴ
鋭い歯と力強いアゴは、獲物の肉を食いちぎるのに役立つ。
南米大陸に広く分布するピラニア。鋭い歯と強いアゴの力で、他の魚などを捕らえる肉食の魚です。見た目の特徴は、体の一部が赤やオレンジに染まる種類、全体的に黒ずむ種類など様々。また大きさは、20cmから40cm以上と幅が広く、ピラニアといっても色々な種類が存在します。

書籍やテレビなどで、『アマゾン川の人喰い魚』と紹介されることも多いので、一度は目にしたことがあるのではと思います。

しかし、メディアからの情報は、少し大げさなものが多いよう感じます。

例えば。

川を渡った牛が襲われ、瞬く間に白骨化した。
水遊びをしている子供たちが襲われた。

また、ピラニアに襲われた時にできた傷跡として、映像を目にすることもあります。

ウソかホントか。その様なおどろおどろしい話が、まことしやかに語られています。

川にそんな魚が棲んでいたら、水辺に近づくのは命がけです。アマゾン川って、怖いところですね…

しかし、その反面。テレビでアマゾン川の映像が流れると、川で泳いでいる人たちの姿を良く見かけます。そこには、ピラニアは生息していないのでしょうか?

いえいえ。ピラニアには、とても多くの種類がいて、広い範囲に分布しています。アマゾン川流域において、一般的な魚です。

では、なぜ。ピラニアがいるかも知れない川で、平気で泳いだりすることができるのでしょうか?

実は、とても臆病な性格


ピラニア
凶暴な面構えとは裏腹に、実際の性格はオドオドしている。
過去のメディアの影響からか、どうも『人喰い魚』のイメージが広く定着しているようです。魚について余り詳しくない方の大半が、集団で人や家畜を襲うイメージを持ち合わせています。しかし、通常ピラニアが人を襲うことは、まずありません。

確かにピラニアには、力強いあごで獲物の肉を食いちぎります。群れで行動し、自分よりも大きな獲物を狩ることも実際にあります。しかし、小魚などは別とし、自分よりも大きな生物を襲う際は、相手が弱っている限りまずありません。

空腹時や血の臭いをかいだ時には、性格が荒くなることもあるようですが。それでも、神経質で大人しい魚であることは否めません。

実際にアマゾン川でのピラニアによる事故のほとんどが、釣り上げた際に誤ってかまれてしまった。などの、不注意によるものがほとんどで、川を泳いでいて襲われたといった話は、まず聞いたことがありません。

その面構えと食性から、非常に凶暴なイメージを我々は持ってしまいますが。実際は物陰に隠れている臆病な性格な魚。といったところが、ピラニアの本当の姿です。

水槽での行動を観察してみても、物陰に隠れてることがほとんどです。また、少しの物音や振動、人影などに反応して、パニック状態になることも珍しくありません。一度、機会があれば水族館などで観察してみると良いでしょう。見た目こそ強面ですが、常にビクビクして、イメージとはかけ離れたピラニアを観察できると思います。

ただし、飼育中の事故も良く聞く話で。ちょっとした油断から、指の肉を食いちぎられてしまった、という話もたまに耳にします。積極的に襲い掛かる魚ではないにしろ、危険な魚であることは間違いありません。

もし身近で観察する機会があっても、不用意な行動は慎んでくださいね。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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