第3位 イエローピラニア(パンタナール産)
一般にピラニアと言えば、「人食い魚」などのダークなイメージが付きまとう。実際には、人を襲うようなことは稀で、見かけと違い大人しい魚だ。いや、どちらかと言えば、臆病過ぎるきらいもある。脚色された作り話ばかりが先行し、本来の習性はそれ程知られていない。とは言え、鋭い歯と強靭な顎は危険なアイテムであることに変わりはないのだが…。
そんな有名なピラニアも、熱帯魚ショップでは数種が販売されている。本種は、腹部がオレンジイエローに染まり、鱗が不規則にキラキラと輝くピラニアの中でも特に美しい種類。この様な種類は、特に男性に人気が高い。
もちろん肉食性なので、メダカや金魚などを餌として与える必要がある。普段はおどおどした魚だが、餌を与えるときはそんな様子は微塵も無くなり、獰猛な本能を垣間見れるのが本種の飼育の楽しみとも言える。
水質汚濁への許容範囲は極度に高く、チョッと水が汚れたぐらいではビクともしない。とは言え、水換えをしない事を薦めている訳ではない。美観的な面、魚を健康に維持する上でも定期的な管理は必要だ。ただ、極度に丈夫であることから、初心者でも問題なく飼える。
さて、ピラニアの仲間は他の魚はどんなサイズの魚であっても餌とするため、基本的に単独でしか飼育はできない。これは、同種でも同じである。一匹だけでしか飼えないのは少々寂しくもあるが、魅力的な本種は単独でも十分に満足させてくれるだろう。
生息地 :南米(パンタナール)
サイズ :20cm以上
適合水槽:60cm幅以上の水槽
餌 :メダカ、金魚などの活餌
参考価格:20,000円
第2位 アベニーパッファー
おちょぼ口に大きな目。そう、本種はフグの一種である。アクアリスト以外の方に淡水にフグがいると言うと驚くことが多いのだが、南インドからスリランカにかけて生息する淡水魚である。しかも、2~3cmにしか成長しない、超小型種だったりもする。
飼育に塩分の必要が無いことから敷居も低く、また水質への順応性も高い。そして何よりも、見た目に愛くるしいことから初めての熱帯魚として断然お勧めできる。また超小型種ゆえに、それ程遊泳スペースを必要としない。また水槽への初期投資もかからず導入への敷居も低い。ただ残念なことに、フグの仲間は他の魚の鰭(ひれ)をかじることがあるので、大きな水槽以外では単独飼育が基本となる。
生息地 :南インド、スリランカ
サイズ :2.5~3cm
適合水槽:20cm幅以上の水槽
餌 :冷凍赤虫、人工飼料
参考価格:300~500円
第1位 ドワーフグラミー
オレンジとブルーの取り合わせが美しく、伸張する胸鰭(むなびれ)がチャームポイントのドワーフグラミー。状態良く飼育すると、オスの胸元がスチールブルー(婚姻色)に染まる美種。その様な色彩になれば、色彩の派手な雄が水面に泡状の巣をつくり、産卵の準備をする興味深い習性をもつ。
産卵シーンは感動的で、雄が雌に巻き付く様に産卵放精が行われ、上記の泡巣に卵を集め親が保護する。産卵までは比較的簡単に観察できるため、初心者にもそのような感動的なシーンを目撃するチャンスは大きい。
何より丈夫な上に飼いやすく、色彩的にも熱帯魚らしく、お勧めの一匹だ。
生息地 :インド
サイズ :4cm前後
適合水槽:45cm幅以上の水槽
餌 :各種人工飼料
参考価格:500~800円(ペア)
さて、定番種を抑えつつも、少々変わった魚種もセレクトしてみた。記憶の中にある初恋の人のように、思い出に残る「初めての熱帯魚」をセレクトしていただければ!ぜひ興味を持って、飼育を始める手助けとなれば幸いです。