最近はネットブックが注目されていますが、これに使われているCPUはほぼインテルのAtomプロセッサーです。 ネットブックより少し性能の高い市場にはAMDや、AtomにNVIDIAのGPUを採用するIONプラットフォームなどが登場していますし、ネットブックよりも安い製品には組み込み市場に強いARMも使われています。
2009年後半から来年にかけて、ネットブックに近い製品はより拡充していきそうですが、特に注目されるのが、8万円程度の低価格薄型ノートです。インテ ル内部用語「CULV」が一部に広まっていましたが、インテルはこのクラスの製品に「モバイル・サブノートPC」という名称をつけたようです。
インテルの名称はともかく、このクラスの製品は、AMDもさらに力を入れていくようで、2009年9月にAMDのVISIONが発表されました。 従来Tigrisというコード名で呼ばれていた物で、どんなスペックのCPUかよりも、何が出来るかを訴える物となり、今後のAMD製CPU、GPU搭載ノートパソコンにはこのVISIONロゴシールが貼られるようです。
AMD VISION
AMD VISIONの利点
AMD VISIONは、4万円程度からのネットブックに近いカテゴリの製品から10万円程度の売れ筋商品まで、幅広い製品に採用されるようです。インテルにないAMDの利点は、CPUと高性能なGPUを自社で提供できるという点です。
インテルのモバイル・サブノートPCは、Core 2 Duoプロセッサーなどを使っていても、GPUはインテルのチップセット内蔵の物が使われます。インテルのGPU性能は、AMDのATI Radeonなどと比べるとHDビデオの再生支援機能、3D機能などは劣っています。VISION採用製品では、3Dゲーム、HDビデオの再生などでイン テル系製品と比べると有利になります。
VISIONは無印、Premium、Ultimateの3ライン用意されます。 無印でもネットブックのようにネットのコンテンツを見るのが主体でも、DVDビデオなどの再生などが快適に可能。PremiumはBlu-rayなどのHDビデオの再生も可能、Ultimateではより高度なゲームなども可能というような分け方になるようです。
これによって、ユーザーはスペックや周波数などを気にすることなく、VISIONのどれを選べば自分のやりたいことが出来るのかが直感的に理解できるようになるようです。
GPU性能が高くなる事の利点は、今後増えるだろうGPGPUを利用した画像を扱うようなアプリケーションソフトの動作速度向上です。
一般的にはそんな性能はいらないと思われがちですが、デジカメの写真管理などでも、これらの機能は使われるようになり、Googleマップ、Adobe Acrobatの文書を読む場合など、様々用途での活用が期待されます。
少しよい製品を求めている場合、GPU性能も重視することで、より快適にパソコンを利用できるようになります。
インテル系の製品と比べた場合、映像関連の性能が高いのがAMDのVISIONと覚えておくのがよいでしょう。
これからも面白くなりそうなパソコン市場
今までは業務用途では一人一台でも、家庭では一家に一台だったのが、ネットブックの影響で一気にノートパソコンの価格が下落し、少なくとも先進国では家庭でも一人一台が当たり前になりつつあります。
コンピュータの利用者が増えることで、ネットユーザーも増え、新しいサービスが続々と登場する事になるでしょう。
今のところネットブックではインテルの一人勝ちですが、AMDのVISIONなど様々な競合製品、ユーザーにわかりやすいブランドが出てくることで、関連製品が安く、性能は良く、買いやすくなることが期待されます。
携帯電話以上、ノートパソコン未満の市場では工人社のPMや、シャープのNetWalkerなどが登場しています。OSもUbuntuや、AndroidやMoblinなどWindowsやMac以外にも様々な物が登場しています。
新サービスが続々と登場するネットを使うための端末として、今後のパソコン市場はますます期待されます。