東京都動物愛護センター城南島出張所 |
生後2ヶ月弱の子猫が数頭いましたが、その子たちは新しい飼い主捜しの対象とのことで、密かに胸をなで下ろしたものです。
現在、国の『殺処分率の減少を図ること』という指針のもと、各地で殺処分を減らす努力が行われていますが、犬や猫、年間約30万頭以上のいのちが「安楽死」の名を借り、殺処分されているのが現実です。
動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針(一部抜粋)
[平成18 年10 月31 日環境省告示第140 号][PDF 40KB]
2 施策別の取組
施策別の取組は次のとおりである。関係機関等は、これらの施策について、平成29年度までにその実施が図られるように努めるものとする。
(2) 適正飼養の推進による動物の健康と安全の確保
2)講ずべき施策
ア みだりな繁殖を防止するための不妊去勢措置の推進、安易な飼養の抑制等による終生飼養の徹底等により、都道府50県、指定都市及び中核市における犬及びねこの引取り数を半減するとともに、元の所有者等への返還又は飼養を希望する者への譲渡等を進めることによりその殺処分率の減少を図ること。
動物愛護は教わらないとわからないものだろうか?
この子達は譲渡対象でした♪ |
これは、私の恥の記憶です。
まだ幼稚園に入る前だったので、多分2~3歳の頃。
ベランダで飛ぶ元気をなくしていたセミを見つけ、好奇心から羽を全部むしり取りました。
羽をもぎ取られてもセミは動き続け、それを見たとき、初めて自分がやってしまったことの残酷さに気づきました。
セミにもいのちがあるということ、生きているということに。
この夏の終わりの記憶は50年近く経った今でも、あのときのセミ時雨と共に鮮明に残っています。
自分の都合で動物の運命を左右しないで!
幼い子供には、熱いヤカンを触ってはいけない、と教えるのと同じように、動物にもいのちがあるのだからむやみに傷つけてはいけない、と教える必要があるでしょう。が、成人している大人が自分の意志で「かわいいから飼いたい」と思った動物を「自分の都合により飼い続けられなくなった」という理由で愛護センターに持ち込むのはいかなるものか?!愛護センターに連れて行けば、その子は簡単に飼ってもらえる次の家庭を見つけることができる、と信じているのでしょうか?
愛護センターの仕事
例えば、東京都動物愛護センターにおいては、2 動物の保護と管理
に記載されている以下の業務などを行っています。
(1) 動物の収容
動物による人への危害防止と動物保護の両面から、飼い主のわからない犬や飼い主のわからない負傷動物( 犬、猫、いえうさぎ、にわとり、あひる )について収容、治療を行なっています。
(2) 犬・猫の引取り
事情等をお聞きしたうえで、やむを得ず継続して飼うことができないと判断される方から犬・猫の引取りを行なっています。
また、飼い主のわからない犬・子猫( 生後間もない離乳前の子猫に限ります )を拾得された方からの引取りを行なっています。
(3) 動物の管理
捕獲・収容した動物( 飼い主から引き取った動物を除く )の収容期間は7日間です。負傷(しょう)動物は、治療等を行いながら飼養管理を行なっています。
また、こう傷(しょう)事故を起こした飼い主のわからない犬の場合には、狂犬病の検診を行なっています。
(4) 動物の返還
収容期間中に飼い主のわかった犬・猫等は、飼い方(かた)について指導したうえで返還しています( 犬の場合は、登録を確認してからの返還になります )。
(5) 犬・猫等の譲渡
愛情と責任をもって終生飼養し、他の飼い主の模範となり適正に飼うことができる希望者を対象に、講習会を実施したうえで犬・猫等の譲渡をしています。また、東京都の譲渡対象団体にも譲渡を行っています。
譲渡対象動物は、収容期間を過ぎても元の飼い主が見つからなかった犬・猫等や、飼い主から引き取った犬・猫です。
(6) 殺処分
以下の場合は殺処分としています。
収容期間を過ぎても飼い主が見つからなかった犬・猫等( 譲渡できなかった場合 )
飼い主から引き取った犬・猫( 譲渡できなかった場合 )
飼養管理が困難な生後間もない子犬や子猫
治療が困難な負傷動物
平成19年度の資料によると
収容された成猫は1,058頭、子猫は4,063頭で合計5,121頭。
そのうち、返還は19頭、譲渡は168頭、約96%の4,937頭が殺処分されました。
愛護センターに持ち込むということは、すなわち「殺す」のだということを、多くの方に周知していただきたいものです。
慰霊碑 |