2年過ぎて少し近付けるように… |
大切な家族、我が子として一緒に暮らしてきた猫さん。
しかし、もし自分に何かあったとき、猫は今までと同じ環境で面倒を見てもらえることの方が少ないでしょう。
実家で、家族全員で猫の面倒を見ているのであれば、猫の環境が変わることは少ないですが、今ひとり暮らしをしている場合は?
前ガイドの戸松 佐恵美さんが以前書かれている「自分にもしもの事があった時には 愛猫への遺言状」も、是非お読みください。
愛猫への遺言状 私の場合
今回1週間アメリカに行くことが決まった時に、複数の猫友達に「もし私に何かあった場合の猫の行く末」を頼みました。何をするにもお金があれば解決への近道となるかも、と海外旅行保険にも入りました。そしてその使い道を、私の家族を含め複数の友人に文書で残して出発しました。
我が家には2年以上同居していても、未だに私でさえ触れない猫さんが3人います。その他には年齢が高いというリスクを抱えている子もいますが、もし誰か他のところで暮らすことになっても、適応能力に問題は少ないです。が、この3人は…。
最終的に、我が家にこのままの環境で残し、家族がこの先も面倒を見ていくことができるように、家族(人間の)を教育することでなんとかなるのでは、と云う結論に達しました。
それぞれのご家庭で、様々なケースが考えられるでしょう。
ご自分の環境の中で、どの方法が猫にとって一番ストレス少なく残りのにゃん生を穏やかに過ごせるか?
これは日々頭の片隅で考えておきたいことです。
それが動物と暮らすものの責任だと思います。
若いから、今は健康だしぃ~
だから、この先も何事なく日々が過ぎていくとは「誰にも」約束されていません。
私は猫と同居していますよ!
まず、ひとり暮らしの方は、ご近所や友人に、自宅に猫が居ることを周知しておいてください。
先日保健所で聞いた話ですが…
90近いひとり暮らしのお年寄りがご自宅でお亡くなりになりましたが、それがわかったのは死後数日過ぎてから。。。
ご親族がその家に入ると、家の中には多数の猫が!
ご親族もご近所の方も、誰もその家にその数の猫が居ることを知りませんでした。
もしかしたら、お亡くなりになる以前より体調が悪くなって、猫の世話ができていなかったのかも知れません。室内は恐ろしい状態で、猫の体調もかなり悪くなっていました。
こんな時、ご親族、またはご近所でその家の様子を気にするネットワークができていたら、これほどの状態にはならなかったでしょう。
お亡くなりになったお年寄りも、さぞかし気持ちを残して逝かれたのは、と想像すると涙が出てきてしまいます。
本来であれば、現在の自分の年齢では猫を最後まで看取ることができないと考えられる場合は、猫を飼わない方が良いのでしょうが、ひもじくて人恋しくて集まってきた飼い主のいない猫を、ご自身の寂しさを紛らわすためにもどんどん家の中に迎え入れてしまったのかも知れません。
高齢者が猫と暮らせる環境
アメリカの州によってはシェルターから動物を引き取る場合、高齢者には割引制度があります。
またある州では、高齢者が動物を飼いたいと希望した場合、飼育が認められていない物件であっても飼うことが許される、という話を聞いたことがあります。
これは、保護団体や警察・保健所、そして地域の住人の理解と協力がなければできないでしょう。
しかし、そのようなバックアップ体勢が整っているという事は、高齢者に尊敬の念を抱き、高齢者の精神的生活環境の質を高めるという気持ちの豊かさの表れではないか、と思います。
年寄りだから何かを犠牲にしなければならない、諦めなければならない、という社会ではあまりにも寂しすぎます。
自分に何かあった時に、残されたものを受け容れる余裕のある社会・地域の環境が整えば人も動物ももっと暮らしやすくなるのではないでしょうか。
今はまだそんな先のことを考える気にもなれない年齢の皆様も、どうか、自分が面倒を見ることができなくなった後の動物の行く末を考えておいてください。
そして、そのような場合の動物たちを受け容れられる地域環境作りは、個人の力だけでなく、国や地方自治体の協力も必要でしょう。
でもまずは…もしもの時に猫さんのことを頼める近しい親族や友人を、複数見つけておきましょう!
我が家の猫の総数はこの倍以上(!) |
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