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「もっと考えよう 伴侶動物との暮らし」(2ページ目)

今回の記事タイトルの『もっと考えよう 伴侶動物との暮らし』は9月15~17日にホテルニューオータニ東京で開催された「第8回 日本臨床獣医学フォーラム年次大会2006」のメインテーマです。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

「動物たちのとの暮らし 動物たちとの別れ」

柴内裕子先生
「動物たちのとの暮らし 動物たちとの別れ」
柴内裕子先生

柴内裕子先生
社団法人 日本動物病院福祉協会 顧問
赤坂動物病院(東京都)院長

残念な事ながら、日本ではドラマやCMに登場したり、人の目に触れることが多い動物があっという間に大人気となり、多くの人が求める傾向があります。
いきなり需要が増えても、生まれる動物の数が限られています。
人気になり求める人が増えると一大産業となっているペットショップはどんどん子犬や子猫を生ませ…。その中には問題になる遺伝的疾患を持っているとわかっていても、『今だったら高く売れる』という理由だけで生ませられる命があるのです。

柴内先生は講演の中で
「生きている動物の世界で、ブームという言葉は使いたくありません。」
「ペットブームというのは非常に悲しい言葉です。
このようにブームに乗って生まされる人気種は、だめになって当然なのです。」
と、話されました。

飼い主は命の預かり主


「近年の子供たちは「死」を理解していません。
死んでもボタンを押すとリセットして生き返ると思っています。」

「動物学者のコンラッド・ロレンツは、
『ペットの存在は都市生活が自然から離れるほど大切になる』と書いています。」

「21世紀にこそ人類のそばに動物たちが必要なのです。
なぜ、動物とのかかわりに注目するのでしょう?
人類にとってどんな大切な動物たちも美しく健康でしつけができていなければ、社会には受け容れられません。」

「犬や猫は、すでに自然から切り離された、人間が帰る自然を失わせてしまった動物です。
人間には面倒を見る義務があり、責任を持って家族の一員にしないといけないのです。
(犬の場合は特に)きちんとしつけて、各々が幸せに暮らせる努力をしてください。
飼い主は地球上の命の預かり主なのですから、人の社会の一員として最後まで面倒を見てあげてください。」

「どんな縁であったとしても、飼い主には一緒に暮らし始めた動物たちの命と、できる限り幸せに暮らすための責任が生じるのです。」

「犬にしろ、猫にしろ、人間に例えると生涯5歳児程度の子供と同じ。
自分の生活環境をよく考えて、同居する動物を選びましょう。
新しい家族を迎える前に、
・その動物の特徴は?
・飼う環境は?
・自分の体力は?
・経済力は?
・準備が整っていますか?
ということを、よく考えて欲しいです。
迎えた動物の寿命がつきる15~20年先の事も考えておきましょう。」

「飼い主の心構え一つで、動物が悪者にされてしまいます。
人間が教えたとおりにペットは育ちます。」

「動物が家に来たその日からしつけは始まります。
よい子に育てるのは
・抱いて(心音を聞かせて)
・話しかけて
・肌を寄せて
・充分に運動させて
・充分に育ててから社会に出す
この満足感、こころよさ、信頼感。
素晴らしい家族との出逢いを大切にして欲しいです。」

「また、家族の一員としてのマナーとして、マイクロチップを入れて身元が確認できるようにすることや、不妊手術(去勢・避妊)を行って動物のストレスを減らしてあげましょう。
早期手術は長寿を支えます。
これは、動物たちへのプレゼントです。」

続いて第二部の講義:『ペットロス=動物との別れ』→

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