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皮膚や毛のトラブル-2

細菌性皮膚炎・真菌症やその他の被毛トラブル、日常ケア、トラブル時のシャンプー選びなどについてまとめてみました。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

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皮膚や毛のトラブル-2は、細菌性の皮膚炎・真菌症やその他病気による脱毛、日常のケアやトラブル時のシャンプーアドバイスについてです。

細菌性皮膚炎

細菌性のものは湿気の多い暑い時期に多く発生がみられます。
細菌が皮膚の表面や毛穴で増殖し、脱毛や皮膚病変が生じます。
痒みは少ないことがあります。
他に原因があって、二次感染として細菌性皮膚炎を起こしているかもしれないので、判断が難しい場合があります。
細菌性皮膚炎は、シャンプーすることで悪化させてしまうことがあるので、細菌性アレルギー専用の外用薬を使用する方が好ましいとされています。

カビ・ウイルスによるもの

■真菌性皮膚炎(皮膚糸状菌症)
白癬菌により起こります。(人間だと水虫の原因となるカビの一種です)。
白癬菌自体は土の中やどこにでも漂っているカビです。
リングワームとも呼ばれますが、動物には顕著な丸く赤い病変(ドーナツ状)が見られることは少ないようです。
※人間にも感染します。特に皮膚の柔らかい部分、子供、免疫が落ちている人は要注意です。

猫の場合は、最初は顔の柔らかい部分・目の周りや鼻頭などにぽつんと薄赤い小さな病変ができます。徐々に面積が拡がったり、他の部分にも同じような病変が増えていきます。
舐めたり掻いたりすることで指の間や身体の他の部分に拡がっていきます。特に子猫や免疫力が落ちて皮膚の抵抗力が弱いときに罹ることが多いようです。

フケが出たり、かさぶたができたりもします。
あまり強い痒みはないようです。
菌は真菌症にかかった猫の抜けた毛についていますので、全身の毛を刈ったり、こまめに掃除機をかけて毛が散らばらないように注意しなければなりません。

薬浴を勧められることもありますが、私が見聞きした範囲では、あまり患部を刺激せず、プログラム液というノミ卵・幼虫発育阻害剤を通常投与の1.5~2倍量投薬することで完治している例があります。

カイカイ
カキカキも度を超すと…

プログラム液がなぜ真菌に効果があるのか???
昆虫と哺乳動物の大きな違いは骨です。昆虫の骨は外骨格系といい、体の表面に固いクチクラという殻を持っています。
クチクラは体を支え外敵から身を守るには良いのですが、成長期には殻がすぐに小さくなり、大きくなるまでに何回か脱皮を行わなければなりません。

実はこの脱皮が昆虫にとっては一番の弱点で、脱皮を妨害するか、クチクラの合成を妨害すれば昆虫は成虫になれずに死んでしまいます。プログラム液に含まれているベンゾイルウレア系の化合物ルフェヌロンを有効成分とする昆虫発育抑制剤は、 卵や幼虫のクチクラの合成を妨害します。

このクチクラはキチンや蛋白質、炭酸カルシウムで構成されていますが、実は真菌などの細胞壁もこのキチンで構成されているので、クチクラの合成を妨害するルフェヌロンが真菌にも効果があるのではないか?と思われます。

プログラム液は真菌のお薬として販売されているものではありませんので、これをノミ駆除剤以外の目的で使用する場合は、必ず獣医師の判断を仰いでください。

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