今回は実際にネコの様子やオシッコの変化に気がついたとき、どうすればよいのか?
また実際にこの病気に罹ったことがあるネコと飼い主さんのお話をまとめてみました。
来院の時の為のメモ
日頃、問題のない状態のネコの様子をきちんと観察しておきましょう。もし、おかしい?と思って連れて行くときは、下記の内容をメモ書きして持って行くと伝え忘れがないでしょう。
・食餌の内容と与え方について
・いつものオシッコの量や回数
・一日にどのくらい水を飲むか
・いつ頃からおかしい?に気づいたか
・食欲の有無や吐いていないか、の確認
・オシッコの色が違うと感じた場合(血尿だと時間とともに黒っぽくなる)色をよく観察しておいてください。
・もし、取ることができたらネコのオシッコを持参(オシッコは30分以内に病院に運ぶ必要があります。時間がかかる場合は冷蔵庫で冷やし、保冷剤などを詰めて低温で持って行ってください)
診断と治療
膀胱がぱんぱんに堅くなってしまっている場合は、一刻も早くオシッコを体外に出さないと膀胱破裂して死んでしまいます。
しかし、そこまで膀胱が硬くなっていない場合は、まず尿検査を行い、尿の成分や結晶、細菌の有無を調べ、血液検査で腎臓の機能や潜血などを調べます。そのほかレントゲンやエコー検査を行うこともあります。
血液検査ではクレアチニン検査をし、腎臓の働きを調べます。
尿タンパクが高い場合は腎臓の障害が疑われます。
尿潜血があった場合は、腎臓か尿路のどこかで出血している可能性が疑われます。
→血液検査一般については「ネコの不妊手術の術前検査」をご参考に
尿を取るために、長い管の先に針をつけた尿道カテーテルという器具を使い、尿管に刺し膀胱を圧迫しオシッコを出します。もし尿の色が真っ赤だったら、かなり重傷と考えられます。
膀胱洗浄を行い、点滴などで輸液を補給しながら止血剤や抗炎症剤など投与して治療を勧めていきます。また、食餌は療法食に切り替える必要があります。
我が家での体験
実のところ、私はずいぶん長くたくさんのネコと生活していますが、膀胱炎以上のFLUTDの経験がありません。
膀胱炎になったのはTOTORO君で、今から13年以上前。彼が生後8~9ヶ月の頃のことです。そのころ我が家には2歳近い去勢済みのアメリカンショートヘアーがいて、その子はTOTOROをとてもかわいがっていました。一日中抱っこしてなめ回しているほど。
でもTOTOROが成長したある日、彼に大人のオスネコの臭いを感じたらしく、いきなり襲って部屋中を追い回しました。
かわいがってくれていたお兄ちゃんネコに襲われたのがかなりショックだったのでしょう。その直後、TOTOROは膀胱炎になってしまい、1ヶ月近く抗生剤を飲ませ完治しました。その後は一度も膀胱炎になっていません。
私がTOTOROの様子に気がついたのは、やはり何度も何度もトイレに行ってしゃがむけど、ぽつん・ぽつんとしかオシッコがでていなかったからです。