今回は不妊手術の費用、手術に備えての準備、術前検査についてです。
手術方法や術後管理などまで一気に掲載したかったのですが、内容が長くなりすぎるため、申し訳ありませんが2回に分けて掲載させていただきます。
不妊手術の費用
病院によって、術前検査の内容、どの方法の手術をするか、執刀に立ち会う先生の数、麻酔や縫合糸の種類、輸液・モニタ・心電図を使用するか、術後の入院期間などなどで料金が全く変わってきます。
非常に安い料金を掲げている動物病院はそれなりの理由があるかも…(?!)。
※病院の所在地の地域性や固定資産税額によっても、基本的な料金に差が生じるでしょう。
大切な家族であるネコの身体にメスを入れるわけですから、飼い主としては事前に料金の内容を知っておきたいものです。私は常々獣医師もサービス業だと考えています。飼い主と獣医師は双方が信頼関係を保ち、安心・納得しあえる関係であって欲しいです。
手術前に疑問に思ったことがあればきちんと確認しておきましょう。
◆一般的な手術費用(術前検査費用が含まれる場合と含まれない場合あり)
避妊手術:約2万~4万以上
去勢手術:約1万~2万円以上
※お住まいの地域によってはネコの不妊手術に助成金(補助金)が出るところがあります。
事前に市役所や保健所などにお問い合わせください。
◆一般的な入院日数
避妊手術:1泊~2泊以上(抜糸まで入院・約1週間~10日、という病院もあります)
去勢手術:日帰り~1泊(オスの場合は日帰りが多いように思います)
不妊手術に備えての準備
手術を行う予定日までに計画的に前準備を済ませましょう。
1.ワクチン接種
術後は体力が落ち、免疫低下も考えられますので、手術予定の3週間ほど前までに、ワクチン接種を済ませておきましょう。ワクチンの抗体ができるまでに(個体差がありますが)2~3週間必要といわれています。
2.内部/外部寄生虫の有無のチェック~駆虫
もし、内部/外部寄生虫がいる場合は先に駆除しておきましょう。
母ネコからの母乳を通じて、子猫も内部寄生虫に感染してしまう可能性があります。
手術前にきれいに消毒が済ませても、もしノミが飛び跳ねたら、それだけで患部が汚染され、消毒のやり直しなどで手術時間が延びてしまうかもしれません。
また、ノミやダニがついていると貧血の原因になり、術後の回復に時間がかかるかもしれません。
3.身体をきれいにしておきましょう
術後は1ヶ月前後シャンプーができなくなります。(先生によっては抜糸が済んだらOKといわれるかもしれませんが、ガイドはネコにかかるストレスを考えると1ヶ月前後はシャンプーを勧めません)。手術の1~2週間前にシャンプーを済ませておくか、蒸しタオルなどで身体をきれいにしてあげるとよいでしょう。