9月のネコの衣・食・住
ネコにシャンプー、必要ですか?
きみ、いつもと違うニオイだよ? |
ついこの間まで、会社を出る時間は明るかったのに、もう薄暗くなってきて…。
ネコの発情は日照時間に関係するといわれていますので、また日が長くなり始めるまで発情が一休みになるかも…。とはいっても、室内で飼われているネコにはあまり関係ないかもしれませんが。。。
本来は、換毛期が一段落する頃ですが、これも室内で飼われているネコにはそれほど関係がありません。ネコは元々毛が抜けやすい動物ですから、1年中換毛期、と思ってこまめにコーム(クシ)でグルーミングをしてあげてください。
毎日短時間でもネコの身体を触ることで、ネコとのコミュニケーションが図れますし、身体のどこかに異常があった場合、早期に発見することができます。人間が無駄毛を取り除いてあげることで、ネコが舐めて体内に飲み込んでしまう毛の量を減らすこともできます。
1日の気温差が少ない今のうちに、今年最後のシャンプーを済ませておいても良いでしょう。今回は簡単にネコのシャンプーについて書きます。
ネコとシャンプー
キャットショーに出陳するネコは特別なシャンプーグルーミングが必要となります。(ショーグルーミングについては、いつか機会があれば別記事で書かせて頂きます)
完全室内飼いでショーなどに行くことのないネコの場合は、私は必ずしもみんなにシャンプーが必要だと思っていません。ネコはセルフグルーミングをする動物ですので、極端な事を言えば、一生に一回もシャンプーをしなくても、被毛を健康に保つことができます。
以前、「人間は毎日お風呂に入るのだから、当然飼いネコも毎日一緒にお風呂に入っていますよ。」と豪語する飼い主さんに会ったことがあります。
しかしそのネコは、毛が必要とする最低限の脂を毎日のシャンプーで完全で落とされて、毛はパサパサで密度が少なく、皮膚も乾燥して少しのことですぐキズになっていました。
その子は飼い主の自分の身勝手な理屈で、かえって不健康にされてしまったのです!
ネコの毛がフワフワ・サラサラになって、良い匂いがして…気持ちよくなったでしょ?と思うのは人間だけ。当の本にゃんは、自分のものでないニオイが体中から立ち上って、不安でしょうがありません。だからシャンプーされると、全身をなめ回して、自分のニオイを付け戻して、やっと落ち着くことができるのです。
それでも、毎日コーミングしていても毛がもつれやすくなってきた、毛玉ができやすくなった、というのは、ネコの毛に余分に脂が付いて毛が汚れてきた証拠です。特に成長期で分泌物が多くでやすい体質のネコ、不妊手術をしていないネコの場合は、ケアが必要となります。
普通のタイプの毛のネコ(特に脂性でない場合)は、年2-3回のシャンプーで充分でしょう。もしあなたのネコがあまり脂性でなかったら、最低週1回コーミング(クシを使ったグルーミング)を行っていれば、1年に1回のシャンプーも必要ないかもしれません。
短毛種の場合は、蒸しタオルで身体をきれいに拭きあげるだけでも充分でしょう。
シャンプーのサイクルの一つの例としては、5月~6月に1回、9月~10月頃に1回。なぜこの時期に洗うかといえば、気温が安定していて、ドライヤーが苦手なネコはタオルドライだけでも乾かすことが可能だということ、そして、やはり一番毛が抜ける時期なので、シャンプーすることで抜け毛を完全に落としてしまえるからです。
お年ごろ(生後8ヶ月すぎ~)の去勢・避妊手術されていないネコ、または、元々脂肪分泌が多い体質のネコのネコの場合は、もう少し回数を増やしてあげる必要があるかもしれません。
去勢が済んでいないオスネコは、表側のシッポの付け根からシッポの中程までが、脂でギトギトになりやすいので、特に清潔に保つ必要があります。これはスタッドテイルと呼ばれます。【studには、種馬などという意味がありますが、ネコの交配においてオスネコのことをstud=種オスと称します。】
シャンプー剤は様々なものが販売されていますが、一番安全なのは獣医師のところで入手することができる低アレルギー・低香料のものです。
シャンプーの注意
- 爪切り、耳掃除、完全なコーミングを行ってからシャンプーをしましょう。
- もし気温が低い日にシャンプーする場合は、お風呂場の温度、乾くまでネコが過ごす部屋の温度を上げておきましょう。
- シャンプー剤は原液を直接ネコに垂らすのではなく、別容器に移して2-3倍に薄めた方が使いやすいでしょう。
- 最初は身体を完全に濡らすこと。ネコが嫌がらなければネコの首から上がでる程度までお湯を張ったタライや湯船につけてしまってもかまいません。
- シャンプーは最低2回。一度目洗って、きれいに洗い流し、再度シャンプー剤をつけて洗います。
- 洗う時は毛をクシャクシャにするのではなく、地肌を良くマッサージするように、身体にシャンプー剤を揉み込みましょう。
- 頬から上、目の周りは直接シャンプーをつけず、ガーゼなどにしみ込ませたシャンプーでぬぐうように。
- 耳に水を入れないように注意!
- すすぎは、これでもか!というほど完璧に!何度も何度も完全にシャンプーが落ちるまでしつこくすすいでください。
- 最後に専用のリンスで仕上げます。リンスはシャンプーを中和するために必要です。
- リンスがない場合は、純正酢を薄めてさっとかけてもOKです。
- リンスも、もう充分!と思うまでよくすすぎ流してください。
- ドライヤーで仕上げるのが理想ですが、ドライヤーのモーター音を嫌がる場合は、何枚もきれいなタオルを取り替えて、タオルドライを行いましょう。この時、洗車用の水分を吸収しやすいタオルを利用するのも一案です。
- 完全に乾いたら再度コーミングを。これで完全にむだ毛が取れます。
以上の作業をできる限り短時間で済ませるのが理想です。(洗い終わるまで30分程度)
シャンプーされた後のネコはぐったりしているはず。自分のニオイを付け戻すためのセルフグルーミングが忙しいかもしれません。半日以上はあまりかまわず、ネコの好きにさせてあげましょう。
予防注射の前後2週間はシャンプー禁止。
その他、少しでもいつもと違う、と思われる体調変化がある時はぜったいに洗わないでください。
食後も避けましょう。
シャンプーはネコにとって、迷惑な行為であると自覚して行いましょう。
ネコの健康を維持するために必要と思われる時には、計画的に行うことをお奨めします。