■今月はネコの毛についてのお話
我が家のネコたちは、みんな長毛種なので、朝梳かしたのにもう夕方には毛玉ができてしまう…あぁ~~、この時期。(カナシイ)
換毛期という言葉をご存じでしょう。
換毛期とはその字の通り、毛の生え替わる季節のことです。
そして、これからがその換毛期本番です。
人間の衣替えのように、ネコも冬毛が抜けて、身軽になっていきます。
「これだけ抜けてハゲないの?!」って思うほど抜けるのです。
元々ネコの毛は抜けやすいもの。
緊張感が高まり、ストレスを感じると余計に毛が抜けます。
あまり好きでない動物病院に連れて行ったら…あれ?っと思うほど毛が抜けた、って経験はありませんか?
ネコにはシングルコートと、ダブルコートと呼ばれる毛の生え方が違うものがいることに、お気づきでしょうか。
シングルコートのネコは、しっかり目の太いハリのあるオーバーコート(上毛)と、若干柔らかい違った毛質を持ちあわせていますが、毛質が違っても毛の長さはさほど変わりません。
ダブルコートのネコは、内側にオーバーコートよりも短くて、柔らかめの腰のない密度のある毛=アンダーコート(下毛)の二重毛を持っています。
一般的に暑い地方が産地のネコ、サイアミーズ(シャム猫)やシンガプーラなどにシングルコートが多く、寒い地方でその歴史を築いてきたネコはダブルコートの場合が多いです。
代表的なダブルコートのネコ種には、ロシアンブルー、ブリティシュショートヘアー、アビシニアン、ノルウェイジャンフォレストキャット、ソマリなど。
アビシニアンはエジプトがその歴史の発祥地、といわれているのにダブルコートなんですね。そして、メインクーンなども厳しい寒さの中で生き抜いてきたネコ種だから、当然ダブルコートでしょう、と思いがちですが、実はシングルコートに分類されます。
確かにメインクーンやペルシャにも明らかに毛質が違うホヤホヤの柔らかな毛がたくさん生えていますが、毛質が違っても長さはそれほど変わりません。
ネコはセルフグルーミングするので、抜け毛の多い時期はいつも以上に毛を体内に取り込むことになります。
体内に溜まった毛は、吐くかウンチに混ざって体外に出ます。
上手に丸めた毛玉を吐けるネコはよいのですが…あまりにもたくさん抜け毛を飲み込むと、便秘になったり、腸に毛球が溜まって毛球症という病気になってしまうこともあります。
なんか食欲がないな?なんか運動量が少ないな?吐くようなそぶりは見せるけど、あんまりでていないなぁ~、という時は、要注意です。
毛球はレントゲンに映りませんので、最悪の場合は切開してみなければ原因がわからない場合もあります。
便秘になりやすい子、なりそうかな?と思ったときは、スプーン小さじ1杯のオリーブオイルや、オリーブオイルを嫌がるネコにはサラダオイルを食餌に混ぜて与えても効果があります。
また、毛球を出させやすくする専用のサプリメントも販売されています。
「ネコ用の草」としてエン麦などが販売されていますが、これは、ネコの栄養のためのものではありません。
草の葉に細かいトゲトゲがあって、食べることで胃を刺激して吐きやすくなるため、好んで口にする子が多いです。
『ネコには草を必ず与えなければいけないでしょうか?』
というご質問を時々いただきますが、好まないネコは見向きもしないし、好きなネコは(多分食感が)吐く目的でなくてもバクバク食べます。
体内からきちんと毛が排出されているネコであれば、無理に草を食べさせる必要はないでしょう。
というわけで、ダブルコートや毛の長短に限らず、
毛が非常に抜けやすくなってくる換毛期は、
いつも以上に抜け毛を取るお手伝いをしてあげてください。
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