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猫の子宮蓄膿症

未経産で、長期に渡って繁殖をしていないメス猫に多発する「子宮蓄膿症」について、原因・治療法・予防法など。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

記事:前ガイド戸松 佐恵美



◆子宮蓄膿症とは


文字通り、子宮の中に膿が溜まる病気ですので、メスにしか発症しません。
未経産で、長期に渡って繁殖をしていない場合に多発する為、中~老年になってから発症するケースが多いそうです。


◆この病気になる理由


メス猫は発情期を迎えると女性ホルモン(エストロゲン)が分泌され、赤ちゃんを作る準備に入ります。子宮の粘膜に作用して子宮壁を増殖させたり、膣を大きくしたり、子宮頸を開かせ、精子が入って来られるようにします。その為、雑菌も入り易くなりますし、この時期の子宮粘膜は細菌感染に弱くなっている為、細菌が入ると炎症がおきてしまいます。発情が終わり子宮頸が閉じてしまうと、膿の出る場所がなくなって子宮内に溜まり子宮蓄膿症になるわけです。


◆症状


水を沢山飲み、おしっこも大量にするようになります。
・陰部から膿が出る事もありますが、自分で舐めてしまう子もいるので気付かない事もあります。
・嘔吐や発熱する場合もあります。
・食欲や元気がなくなります。
・膿が溜まってくるとお腹が膨らんで来て、触ると痛がります。

早期に発見して、摘出手術をすれば命に係わる事はありませんが、発見が遅れ、腹膜炎を併発したり、膿が溜まりすぎて子宮が破裂したりすると死んでしまう事もありますし、毒素が体内に回ってショック死する事もあり得ます。

この病気は、発情から2~3カ月後に発症する事が多いので、発情を迎えた後はこれらの症状が出ていないか気を付けてあげてください。
特に、交尾させた場合には、陰部を気にして舐めたりお腹が膨らんでくるため、妊娠と間違えてしまう場合があるようですので、注意が必要です。


◆治療法


抗生物質の投薬やホルモン治療で治るケースもあるようですが、再発の危険性も高い為、妊娠を望まないのであれば子宮を摘出してしまうのが一番です。
膿の溜まる子宮そのものがないので、再発は100%あり得ません。
また、初めての発情が来る前に手術をすると乳ガンにもかかりにくくなるそうですので、出産を望まない場合には、早期に避妊手術をする事をお薦めします。(発情時にオスを呼ぶ声で近所に迷惑をかけなくて済みますし、本猫のストレスの軽減にもなります。)


◆ガイドより


猫ではなく犬ですが、私が実家にいる時に飼っていたシェルティーがこの病気になりました。かなり老犬になってからでしたので、麻酔に耐えられるか分からないが、放っておいたら子宮が破裂して死に至ると言われたため、断腸の思いで手術をして頂く事に決めました。
幸い、破裂1歩手前で摘出ができ、体力も持ってくれて大事には至りませんでしたが、通常大人の親指大の筈の子宮がフランクフルト2本分くらいの大きさになっているのを動物病院の先生に見せてもらい驚愕しました。
この犬も、避妊手術をせずに交配もさせておりませんでした。

交配の予定のないメス猫ちゃんには、是非避妊手術を受けさせてあげて欲しいと思います。
うちにも、まだ手術していないメスがいますので、これを機に手術を受けさせようと思っています。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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