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FIP/Feline Iinfectious Peritonitis 猫伝染性腹膜炎(3ページ目)

猫の三大伝染病のひとつであり、当ガイドが愛猫「まりあ」を失った「猫伝染性腹膜炎」について

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

この様に、FIPについては解明されていない事だらけなので、当然の如く治療法も今の段階ではありません。FIPとハッキリした時点で、「助からない」と言われてしまいますし、「どうしますか?」と聞く獣医さんもいました。つまり、治らないので安楽死させますか、という意味です。
私は個人的に安楽死には反対なのでその選択はせず、「治療」はできないので「延命」しかできない、とは言われていましたが、かと言って何もしない訳にはいかず、医者には連れて行っていました。
まりあはウェットタイプで腹水が溜まっていましたので、それを抜いて、塩酸オザクレルというものが効くと聞くとそれを服用させたり、インターフェロンを注射して頂いたりしていた訳です。

その中で、私に葛藤が生まれました。まりあとは一日でも長く一緒にいたい。けれど、もしかしたらまりあの苦しみを長引かせているだけなのではないか。と。
まりあは一ヶ月の闘病の末、最期は私の腕の中で痙攣して死にました。
亡骸を抱えて半日間、ただぼーっと泣きながら時を過ごしましたが、その間にも、私がして来た事は正しかったんだろうかと自問自答を繰り返し、それ以降も事ある毎に考えるのですが、答えは出ません。

まりあによく問いかけます。うちに来て幸せだった?と。答えは返って来ませんが、その時には決まって、亡くなる前日に最後の力をふりしぼって私の所まで来て、指を握ってくれた事を想い出します。
私はまりあに逢えて、一緒に暮らせて幸せでした。だから、おそらくまりあも幸せだと想ってくれていただろうと、そう想いたいのです。

もし、あなたの猫が、不治の病に冒されたとしたら、あなたなら、安楽死を選びますか? 静かに家で看取る事を考えますか? それとも藁にもすがる想いで医者に通うでしょうか?
どの方法を選んでも後悔は残るし、どの方法を選んでもこれでよかったんだとも想うでしょう。大切なのは、その子の事をどれだけ愛していたか、なのだろうと想う今日この頃です。
そして、亡くなってからも、その事の事を大切に想い続ける事こそが「愛」というものなのだろうとも。
FIPという病気が、一日も早く解明され、1匹でも多くの猫ちゃんの命が助かりますように。。
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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