記事:前ガイド戸松 佐恵美 |
もういくつ寝るとお正月・・・新しい年がやって来ます。
日本のお正月の食卓には、猫の食べたいものの宝庫です。
お刺身、かまぼこ、いくら、ごまめ、かずのこ・・・鶏肉やハムやチーズなどなど・・お正月くらいいいだろう、とついつい人間用の食材を猫にも与えてしまいがちですが、人間は一般的な女性でも体重が40kg程度はあり、メスの猫の約10倍ある訳ですから、塩分などの摂取量を単純計算しても人間の食材は猫の摂取しなければならない塩分の10倍の塩分が摂取できる様に出来ています。
塩分の取りすぎは、内臓に負担がかかり猫にとっていい事ではありません。
どうしても、猫に正月用の特別料理、つまりおせちを食べさせたいのであれば、「猫用のおせち」を用意した方がいいと思います。
お刺身は生の魚ですからわさびや醤油がついていない状態であるなら、そのまま適宜に与えても問題はありませんが、かまぼこやいくら、ハムや煮干しや(人間用の)チーズは塩分が多すぎるのであげないにこした事はありません。よって、こういった加工品ではなく、ゆがいたささみとか白身の魚を焼いたものなどを用意してあげて、食卓に興味を示している猫ちゃんにはその「猫用おせち」を与えるという方法で猫の注意をそらせます。
猫ちゃんにお正月気分を味あわせてあげたいなら、いつもより少し高い缶詰を食べさせるだけで十分だと個人的には思うのですが(ガイド宅では、大晦日と元旦だけ一缶180円の缶詰を一匹に一缶与えています。10匹いるのでこれ位が限界です・・・。)例えば、普段と同じ缶詰でも、周りにカリカリやゆがいたニンジンなどをトッピングして、色どりを添えてあげるだけでも正月気分は味わえると思います。
何といっても、猫には「正月」という概念はなく、簡単に言ってしまうと「猫にも正月気分を」と言うのは人間の勝手な思い込みでしかないので、人間が満足すればいい訳ですから。
最上部の写真で、ミルクとココアがおせちより興味を示しているのがかつおぶしだ、と言う事でもその事は伺い知れますが、実はこのかつおぶしとか、場合によっては海苔も猫によっては好んで食べる個体がいるのですが、与えすぎはよくありません。
猫にかつぶし、と言う言葉がある通り大好物には間違いないのですが、かつおぶしにも海苔にも猫比尿路症候群(FUS)の大元であるマグネシウムが含まれている為、とりすぎると尿石が出来やすくなってしまうのです。
また、猫と一緒におとそ気分を味わいたいのなら、猫ちゃんにはまたたびを与えましょう。
猫にとってまたたび(とかイヌハッカ)は、葉も実も茎も、人間で言うと「酔う」要素を持っており適宜であれば、こういったものを与えるのはストレス解消になってよいとされています。
一年の計は元旦にあり。
人間も、猫も酔い過ぎには注意をして、共に素晴らしい幕開けにしてください。