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捨て犬をなくすために、私達ができること(2ページ目)

ペットブームの裏側で、依然として捨てられる犬達も多くいる現実。そんな犬を一頭でも減らしたい。まずは、一人一人がやれることから始めよう。そのための気づきを与えてくれるワークショップをご紹介します。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド

第5回目のテーマは、“正しい情報を収集する力と判断力”

グループディスカッション
講義の後はグループごとに分かれて、自分ができること・やりたいことについてディスカッション。
ガイドがお邪魔した第5回目の講義では、“正しい情報を収集する力と、それを判断する力を身につける”をテーマに、ドッグジャーナリスト臼井京音さんと獣医師の高倉はるか先生によるパネルディスカッションが行われました。進行役のコーディネーターとして、ラジオパーソナリティ青木さくらさんが務めます。

「たとえば、アメリカの単犬種団体を例に挙げることができますが、いいことばかりじゃなくて、遺伝性疾患についてなど、ちゃんと負の情報もオープンにしている。こうしたところは信用できると思います」(高倉先生)

「ブログなどに書かれているものは、参考にはしますが、鵜呑みにはしない。その情報発信者が信頼における人かというのが問題ですが、その人が常に新しい情報をアップデートしているかも気をつけたほうがいいでしょう」(臼井さん)

これは、まさにテーマにふさわしいお話ですが、その他にも、「日本ではアメリカの6倍にあたる股関節形成不全のコがいる。安易な繁殖は、最終的に捨てられる犬を増やすことにもつながる」「アメリカ獣医動物行動学研究会(AVSAB)では、子犬の社会化についての意見書を配布しており、その大切さを訴えている。社会化不足からくる問題行動が減れば、飼育放棄犬も減るはず」というようなお話も出て、不幸なコを一頭でも減らすには、何をどう考えたらいいのか?という気づきを与えてくる内容にもなっていました。

自分のやりたいことを宣言します!

アクション宣言
毎回、自分の目標をみんなの前で宣言。
19名の参加者達は、熱心に講義に聞き入った後、いくつかのグループに分かれて、未来に向けて何ができるのか?自分のできることは何なのか?ということについて、それぞれディスカッションを行います。ここでは、各グループ、熱心に意見交換がなされ、参加者それぞれの熱い想いを感じるばかりでした。

参加者の中には、すでにNPO法人を立ち上げたり、実際に活動を行っている人もいますし、何かはわからないが、とにかく何かをやりたいという人まで、層の厚さも感じます。

このディスカッションが終了すると、“ACTION宣言”というものをすることになっています。これは、その回の講義とディスカッションを終えて、自分が何をしたいと思っているのかを、みんなの前で宣言するというもの。次回の講義までの間に、それが実践できたかどうかがその人にとっての課題となります。つまり、言ったからには、やらねばならないという、いい意味でのプレッシャーを自身にかけて、実際の行動(アクション)に移していくというわけです。そして、これには、前回宣言したことが実践できたかどうかの報告も含まれます。

参加者の声

熱心な参加者たち
アクション宣言は、次回の講義までに、それが実践できたが課題となる。
実際に、このプログラムに参加した方のお話を聞いてみました。

宮原さん(RIKU/A・コッカー・スパニエル):
「いろいろ犬について勉強していく中で、何かをしたいという気持ちはありましたが、捨て犬をなくそうというキャッチに惹かれて、このプログラムに参加してみました。私としては、知り合いもでき、それぞれの得意分野を生かして何かできるんじゃないかとも思いますし、人脈作りという意味では大きな収穫です。具体的には、飼い主さんと愛犬との絆を深められればと、プレイズタッチをみなさんにお教えすることで貢献できたらいいなと思っています」

後藤さん(ベルグ、アクア/ブリュッセル・グリフォン)
「犬と暮らすのは初めてなのですが、一緒に暮らすうちに、愛犬達からもらう幸せを何かの形で還元したい、そのために自分に何ができるかを考えていました。実際に参加してみて、自分と同じような想いをもっている方が多くいらっしゃるということを知って嬉しいです。私は、犬と暮らしたいけど飼えないという年配の方と犬とを、うまくつなぎ合わせる活動ができないものかな?と考えています。まだ何をどうしたらいいのかはわからないのですが、何かできるかもしれない……という、気持ちが動き出したように感じています」

お二方とも、気持ちはすでに前向きに動いています。これこそが、“ONE LOVE ACTION!”効果なのでしょう。

何事も、楽しくなくっちゃ続かない!

会場となった「Andy Cafe」
カフェ、サロン、ドッグホテルなどが一体となった複合型ショップ。セミナーなども可能。
参加者の様子を見ていると、和気藹々として楽しげな雰囲気がありました。捨て犬問題などに関しては、何かをやりたいという意欲があっても、ことをやや難しく考え過ぎ、意識が固くなり過ぎてしまうきらいもあります。

「私達が提案しているワークショップは、参加者同士が共鳴できる、つながる楽しさもあります。楽しくなければ続かない、それが信条の一つでもあるのです」(編集長平田さん)

愛犬と暮らす幸せを感じれば感じるほど、その幸せを手に入れることのできない犬達のことに心痛めている人も多いはず。実際、『ONE BRAND』で全国の愛犬家を対象に、保護犬についての意識調査を行ったところ、「保護犬を引き取りたい」と答えた人が全体の20.3%、「引き取りたいが検討中」という人が55.8%、「保護活動やボランティアをしたい」という人が56.2%にのぼったそうです。多くの人がそういった意識をもっているということを数字から読み取ることができます。

何かをしたい……でも、どうしたらいいの?……と思っている方、一度、このワークショップに足を運んでみてはいかがでしょう? 小さくてもいい、“自分にできること”がたくさん集まれば、それは大きな力になり、将来的に何かを動かせるかもしれません。さぁ、あなたの一歩を、踏み出してみませんか? 愛しい犬達のために。

【ONE LOVE ACTION!第2期生募集要項】
定員:20名
開催日:2010年1月~3月 第2・第4水曜日
時間:14:30~16:30(予定)
参加費:\30,000(1コース全6回)
場所:Andy Cafe
   東京都世田谷区池尻1-11-7 2F
詳細・お申し込みはこちらまで → ONE BRAND WEB



【関連サイト】
ONE BRAND. jp(人と犬との共生、および豊かなライフスタイルを提案し、社会貢献につながる事業を展開)
Andy Cafe(カフェにサロン、ドッグラン、トレーニング……と複合型のサービスが嬉しい)



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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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