「恐怖症」の緩和・克服には、“脱感作療法”と“逆条件づけ”

ストーム・ディフェンダー・ケープ
体内に蓄積された静電気を取り除くことで帯電から犬を保護、雷発生時の静電気による犬の不快感を緩和するストーム・ディフェンダー・ケープ。
ガイド:
では、実際に雷恐怖症を治したいと思ったら、どうしたらいいのでしょうか?

グリーンウッド・アツコさん:
雷恐怖症のみに関わらず、「恐怖症」と呼ばれる問題の緩和・克服には、“脱感作療法”と“逆条件づけ”という方法を組み合わせるやり方が一般的です。脱感作療法とは、音響テープなどを使って、小さな刺激から徐々に恐怖の対象に慣らしていく方法です。それと同時に逆条件づけと言われる、恐怖反応を引き起こすマイナスの刺激に対し、それに拮抗するプラスの刺激を条件づけることによって恐怖反応を減少させていく心理療法です。

ガイド:
例えば、雷の音を録音したテープを、怖いとは感じない程度の小さな音量から少しずつ段階を追って慣らしていく。そして、雷の音が聞こえる度に、それよりももっと楽しいこと、いいことが起こるように仕向けるということですね? ガイドの愛犬も、その手を使いました。でも、こうした手法を取り入れるにも、注意点などがあるかと思うのですが。


雷のシーズンを避けてトレーニング

雷の時に受ける犬のストレスはかなりなもの
雷恐怖症の犬では、雷時に唾液中のコルチゾールが倍以上に分泌されるという話もあり。
グリーンウッド・アツコさん:
はい、二つほど注意点があります。近年は手軽に音響テープやCDが手に入るために、それらを使って試される方も多いかと思いますが、すでに犬が「恐怖症」を発症してしまっている場合には、細心の注意が必要です。脱感作療法の仕組みをよく理解しないまま、単に「慣れさせればよい」のだと軽く始めてしまうと、期待どおりの効果が得られないほか、症状を悪化させてしまうことがあります。特に雷恐怖症の犬に脱感作する場合は、始めるタイミングや時期がとても重要になります。

ガイド:
タイミングというと?

グリーンウッド・アツコさん:
脱感作療法の第一条件として、「試行中は絶対に強すぎる刺激(恐怖の対象)にさらしてはいけない」という鉄則があります。ということは、脱感作療法中(慣れさせている段階)では、犬に本物の「雷」を体験させてはいけないのです。雷のシーズンを避けての練習が必須条件になります。

ガイド:
そうなんですかぁ。つい、雷のシーズンこそ練習したくなっちゃいますよねぇ。


冷静な態度で臨むこと

グリーンウッド・アツコさん:
もう一つは、飼い主さんの過剰な反応(同情・叱責)が、恐怖症の犬の症状を悪化させる原因になる可能性があります。冷静な対応が求められますが、犬自身が「助け」を求めてきた際には、静かに声をかける、ゆっくりとやさしく撫でるなどで対応してあげてください。

ガイド:
つい可愛そうに思えて甘やかしたり、逆に無視を決め込むようなケースもあるかと思いますが。

グリーンウッド・アツコさん:
そういう対応の仕方は、後々の犬との信頼関係に悪影響を及ぼす場合があります。犬から見た信頼できる飼い主としての条件の一つに、「安全・安心の確保」があります。飼い主さんに守ってもらえないと誤解した犬は、自己防衛意識が高まり、別の問題行動につながる恐れがあるので注意が必要です。

ガイド:
なるほど。そういった点に気をつけてトレーニングをすれば、ある程度の効果は期待できると思ってもいいでしょうか?


雷恐怖症の、新しい対応法

グリーンウッド・アツコさん:
正直、雷恐怖症に関しては、音響テープのみによる克服には限界があると感じています。雷恐怖症の要因の一つと言われる気圧の変化、雷雲から発生する静電気など、「犬の体に感じる不快感(恐怖感)」を実際の雷時に取り除いてあげることができないからです。テープの音には慣れたものの、実際の雷にはいまだパニックになる…ということが起こるのです。つまり、多くの犬が本物と偽物の音とを聞き分けてしまうと。

ガイド:
ガイドの愛犬も確実に聞き分けていましたねぇ。

グリーンウッド・アツコさん:
あまりにも症状がひどい場合には、安定剤や自然由来の療剤(レメディ)をお勧めしますが、あくまでも一時的な対処法であって、犬自身が「雷は怖くないもの」だと学ぶことはできません。

ガイド:
では、もっと効果的に、「雷は怖くない」と学ぶことができるものってないのでしょうか?

グリーンウッド・アツコさん:
一つ、注目のグッズがあるんですよね。

そのグッズについては、次のページでご紹介します。