珍しい犬種に会いたい---Gピンシャー編(3ページ目)

ジャーマンピンシャーは犬のオリジナルに近い犬種？

アメリカでは常識の断耳・断尾はブリーダーに強く すすめられたが応じなかった

須崎さんが言うには、ドーベルマンやミニチュアピンシャーの元になったジャーマンピンシャーはやはり原種に近い犬。かれらには人の手が入る前の野生の犬に近い性質＝「犬らしさ」が残っているのではないかというのです。

ファイドは自分を写す鏡のような存在
という須崎さん つまり、いま流行の小型犬の多くに見られるような愛玩犬としての従順な性質や、人間のコマンドに素直に反応するという性向が弱い。人間の仕事や趣味を手伝うためにつくられた犬とは違って、自由で奔放で野生に近い犬種なのではないかというわけです。しかしそうだとすると、ファイドくんにとっては、須崎さんをリーダーとして認め、都会で他の人間や犬たちと暮らしていくために、この８カ月は不可欠な時間だったのかもしれませんね。

「おかげでこの８カ月で新しい引き出しがたくさんできたように思います。ファイドは僕に、自分探しのきっかけをくれましたし、自分にはまだまだ知らないことがいっぱいあって、それをクリアーするためにどんな試行錯誤をすればよいかを教えてくれました。その意味では、僕とジャーマンピンシャーという原種に近い犬種との出会いは運命的なものだったのではないかと思っています」（須崎さん）

◆ファイドの資質・特質
ジャーマンピンシャー（German Pinscher）は、テリアグループに含まれる。テリアというと、勝ち気で落ち着きがなくエネルギッシュというイメージを持つかもしれないが、これも「傾向」はあるよねという程度。
ファイドの皮膚は面白い。ひっぱると、ものすごく伸びるのだ。本人も痛がらない。ビヨーンと伸びる。なぜか？これについては、ドーベルマンとの繋がりがある。ガードドッグ（護衛犬）としてブリーディングされてきた犬種であるため、噛まれたりしてもケガの度合いを軽減するという理由があるのだ。
ちなみに、ファイドをシャンプーするときは片手でしっかり彼の皮膚を持って、もう一方の手でゴシゴシすることにしている。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（DOGSHIPのＨＰより）
従兄にあたる BLUE との会食
（photo by suzaki） ＮＹとバンクーバーでの都市生活になじんだせいか、ファイドくんは帰国して東京の須崎宅に来てもまったくストレスなく暮らしているそうです。少し心配していた日本の犬たちとのコミュニケーションにもまったく問題はなく、大きな犬にも平気で近づいていってコンタクトしようとするとか。須崎さんはそんなファイドくんに、これから仕事をいろいろ手伝ってもらうつもりだと言われていました。

「今後は、いま僕が研究中のセント・トレーニング（特定のにおいを探し出すトレーニング法）の手伝いや、子どもたちを対象にした犬とのふれあい教室などのイベントでアシスタントをしてもらおうと考えています。彼にはずいぶん投資をさせられましたから（笑）」（須崎さん）

ちなみにファイド（FIDO）は、古い英語で「犬」、ラテン語で「忠誠」の意味。欧米では携帯電話のことをFIDOと称することがありますが、そこには「いつも一緒」という意味が込められているそうです。これからはDOGSHIPのイベントで、須崎キャプテンと一緒のファイドくんの姿が見られるかもしれませんよ！

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■DOGSHIPからのメッセージ
私たちの最終目標は「人とひとをつなぐこと」。犬の素晴らしさはもちろん、犬という生き物を通して、我々人間の心がもっと豊かになる。そんな社会に貢献できるトレーニング探求と社会から支持されるトレーナーの育成に努めるべく、異文化という垣根を越えて、航海を続けていきます。

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