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珍しい犬種に会いたい---Gピンシャー編(2ページ目)

ドッグトレーナーの須崎大さんが、待望のジャーマンピンシャーを米国から連れ帰られたと聞いて、会いに行ってきました。ドーベルマンやミニチュアピンシャーの元種となったこの犬の魅力とは?

執筆者:坂本 光里

アメリカから犬を連れ帰るには?
・まず生後90日になるまでにマイクロチップを装着する
・そして最初の狂犬病の注射を打つ
・摂取後30日後に2回目の狂犬病の注射を打ち、それから日本の 農林水産大臣が指定する海外の検査施設で狂犬病に対する抗体価 の検査を受け数値を調べる
・2回目の摂取から180日間、出国まで自国で待機する
                         (DOGSHIPのHPより)
ファイドくんをブリーダーさんの犬舎に迎えに行ったのが3カ月齢のとき。そこから約8カ月間、須崎さんはNYとバンクーバーのアパートで4カ月ずつファイドくんと生活をともにしながら、セントラルパークで人気トレーナーたちの教室に参加してトレーニングの実践や教え方を学んだり、バンクーバーに渡って米国流とカナダ流の違いなどを勉強されたそうです。

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NYから車で5時間かけてファイドくんを迎えに行った
                (photo by suzaki)

どうしてそんな大都会ばかりを選んだのかというと、メリーランドの田舎で奔放に育ってきたファイドくんを、少しでも早く都会の雰囲気に慣らしたかったため、東京の雰囲気に近いNYを選んだのだとか。ちなみに、バンクーバーではSPCAのシェルターでのトレーニング教室にもボランティアで参加されたそうです。

今までのトレーニング方法を見直すきっかけに

最初のNYでの暮らしは、犬お断りの店やホテルが意外と多く(飲食店は基本的にテラスのみ)、犬連れの外国人を受け入れてくれるアパートが見つからなかったりして、かなり苦労されたそうですが、それ以上に大変だったのがジャーマンピンシャーという犬のトレーニングの難しさでした。

img2NY郊外で初めてドーベルマンと遭遇
    (photo by suzaki)「ファイドを最後に迎えに行ったとき、ブリーダーから『この犬種を飼うなら最初からアルファ(群れの主)になりなさい』とアドバイスされたんです。
そこで自分の知識と経験を総動員していろいろ試してみたんですけど、最初はどのコマンドもまったく通用しない。他の一流トレーナーにも見てもらいましたが結果は同じ。なんでだろう?自分には何が足らないのだろう?と悩んで、時間をかけてコミュニケーションを取っていきました。

この8カ月は大変でしたが、その間、ファイドと密に過ごすよい機会になったし、僕自身のトレーニング方法を見直すきっかけにもなりました。また、NYでホテルを転々としたことや、たくさんの犬や人間と接したことで、ファイドがちょっとやそっとの環境変化やアクシデントに動じない子になったというメリットもありましたね」(須崎さん)

すでに刷り込みと社会化が終わったファイドくんを見ていると、あまりその実感はありませんが、犬種図鑑に書かれていた「主人やその家族には絶対服従、献身的に尽くすガードドッグ。都会の集合住宅でも飼いやすい」という解説とはやや話が違っている様子。ブリーディングや育て方にもよるのでしょうが、ファイドくんの場合はコマンドが入りにくく警戒心が強い面もあったようです。

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セントラルパークに面したアパートのテラスで、
屋外の物音に慣れさせる(photo by suzaki)

おとなしくテーブルの下にフセをしていても、ときどき立ち上がって人の手を舐めに来たり、かまってほしそうに上目遣いに見上げたりする様子は、やはりまだ彼に子どもらしさが残っているからでしょうか。ジッと人の目を見つめて目を逸らさないのは、須崎さんがアイコンタクトの大切さを教えたせい? それともガードドッグとしての本来の特性でしょうか? ともあれ、こちらが根負けして目を逸らしてしまうほどでした。

マンハッタンを歩いていると
みんなに声をかけられる
     (photo by suzaki)
かつてJ・レノンが住んでいた
ダコタハウスを眺めるファイド
     (photo by suzaki)

ファイドが須崎さんにくれたものとは?

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