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犬映画もお国柄でこんなに違う?!(2ページ目)

犬映画の後編はフランス映画の『ディディエ』と、ディズニーの『奇跡の旅』&『三匹荒野を行く』です。フランスとアメリカ、お国柄で犬映画もこんなに違うとは…?

執筆者:坂本 光里

奇跡の旅(1993年)

アメリカ映画にはロードムービーというジャンルがありますが、これはまさにその動物版。とにかく何かの事情でいっしょに旅をしなくてはならなくなった主人公たちが、反発しながらも助け合い、苦難を乗り越えて友情を育んでいくというのが多くのロードムービーですが、ここでも3匹の犬猫たちがそんな旅を繰り広げていきます。
お話は、飼い主がペット厳禁の家に引っ越すことになったことから、遠く離れた家に引き取られることになった2頭の犬と1匹の猫が、もとの飼い主の家をめざす旅に出るというもの。60年代に撮られた『三匹荒野を行く』のリメイクです。
犬はアメリカン・ブルドッグとゴールデンレトリバー、猫はヒマラヤンで、ブルドッグの声をマイケル・J・フォックスが、ヒマラヤンをサリー・フィールドがやっています。前作『三匹荒野を行く』では、ラブラドールと老いたブルテリアそしてシャム猫でしたから、ちょっと顔ぶれは変わったものの、与えられた役割は同じですね。
頭がよくリーダー格のゴールデン(ラブラドール)、ドジで三枚目のブルドッグ(ブルテリア)、身軽で気取り屋だがトラブルメーカーの猫というトリオです。


3匹が旅するのはカナダの原野300キロ。そこは野生の熊やピューマ、ヤマアラシ、スカンクなどが住む、ペットたちにとってはデンジャラスな山道です。険しい山々、流れの急な激流、雨や嵐も3匹の前に立ちはだかります。そして3匹は力を合わせて(けっして誰かを見捨てたりしない!)、その試練を乗り越えていきます。激流にのみこまれたり、熊に襲われたり、あわやというシーンの連続。これが映画でなかったら、きっと途中で挫折なんだろうなぁ、うちのアッシュやハービーにはとても真似できっこないだろうなぁなんて思いながら、手に汗しながら見てしまいました。
え、ごはんはどうするのって?そうですよね~。川で魚を捕ったり、ウサギを追っかけてつかまえたり、ただのペットだった彼らがたくましく成長していくあたりもなかなか感動ものです。ホントならきっと町に出てゴミ箱あさりぐらいが関の山なんじゃないでしょうか。

最後はもちろん期待どおりハッピーエンドです。こういうのって、いかに泣かせてくれるかに期待しちゃいますよね~。ほとんど同じような内容の映画に『ハイボーン』(監督ロイ・ワッツ 83年米)というのがあるんですけど、それも5500キロの家路を犬がたどるという苦難のお話で、最後の再会のシーンではやっぱり泣かされてしまいました。もちろん『奇跡の旅』も、そのへんは心得たもの。おおいに泣かせてくれます。
ただ前作『三匹荒野を行く』にくらべると、なぜか感動はうすい。どうしてかな~と考えてみたら、やっぱり動物たちがしゃべることに原因があるようです。動物って話せないから、見る側の人間が彼らの表情や仕草から一生懸命に感情を読みとろうとしますよね。だから感情移入しやすいわけです。それに『三匹荒野を行く』は、ほんとにセリフがなく映像も古いタッチなので、まるでドキュメンタリーを見ているような印象がある。それにくらべて『奇跡の旅』は、きれいだけどそのぶんいかにも演出された劇映画調になってしまった。このあたりに原因があるんじゃないでしょうか。そのへんはぜひ、あなた自身の目でお確かめください。


『奇跡の旅』(1993年)
製 作:ウォルト・ディズニー
監 督:デュェイン・ダンハム
発売元:ブエナ・ビスタ・ジャパン
販売元:ポニーキャニオン

『三匹荒野を行く』(1963年)
製 作:ウォルト・ディズニー
発売元:ブエナ・ビスタ・ジャパン
販売元:ポニーキャニオン

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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