子どもをわがままにする……夫婦のNGな関係
わがままはいけません! 親のその言葉に説得力はありますか?
「こんな子どもに育てた憶えはないのに……」ということは子を持つ親の立場の方なら、子育て中何度も経験し悩んだりするものです。でも、 「子育てって1から10まで親の思い通りに行くなんてことは、まずないのよね……」などと諦めて納得している場合ではありません。「育てたように子は育つ」とは相田みつをさんの言葉ですが、子育てとは親が意識的に行う以外に、「子は親の後ろ姿を見て育つ」部分もあるのです。ここをお忘れなく!
いくら親が「わがままはいけません」「人に思いやりを持って接しなさい」「優しい人間になりなさい」などと教えて、「はい。私はちゃんと子育てしています。人として大切なことはしっかりと教えてきました。でも、子どもがそのように育ってくれないんです」などという場合、我に返ってみる必要は大いにあるのではないでしょうか?
我が子が「わがままコドモ」となっている原因は一体どこにあるのか? 子どもが育つ家庭環境をつくっているのは、父親・母親でもある夫婦です。子どもはこの両親の関係、その姿に、家庭内でずっと接して、そこから日々さまざまなことを学び取っています。もしかしたら、子どもをわがままにしているのは、自分たち夫婦の関係に問題・原因があるとは考えられませんか?
あなたが子どもに見せる後ろ姿は大丈夫ですか?
おい! メシはまだかよっ。早く食べたかったら手伝ってよっ。
■わが子をわがままにするNGな夫婦仲
- 夫婦喧嘩が絶えない
喧嘩とは、自己主張と自己主張がぶつかることで起こります。夫婦がどうしてもお互い譲れないことでたまに喧嘩になるのは仕方がないですし、我慢する必要はありません(しかし、できれば子どものいないところで喧嘩というよりは意見調整という話し合いにしましょう!)。が、寄ると触ると小競り合い・言い争いをしている両親の姿を目にする子どもは、「ちょっとでも気に入らないことがあったら徹底的に喧嘩してでも我を通していいのだ」と学んでしまいます。こんな両親の姿を見せつけられては、思いやりの心を持って相手の気持ちになる、時には相手に譲ることも大切、という心は育たないでしょう。
- 夫が極端な亭主関白か妻が鬼嫁
いくら夫婦間でこの主従関係がうまい具合で成り立っているのだという場合でも、それが子どもに悪影響を及ぼしてしまうことがあるので要注意です。気づかぬうちに「人をアゴでこきつかっていいのだ、あんなに威張っていてもいいのだ、何を言っても周りは自分の言うことを聞いてくれるのだ」と子どもに刷り込んでいることになってしまいます。
- 家事を手伝わない夫、それに対し腹を立てている妻
妻が夫に家事を手伝って欲しい、手を貸して欲しいという状況がそこにあるのに、夫は気づかないか見て見ぬフリか、堂々と拒否。つまり、そこには夫の思いやりの欠如、わがままということが見て取れます。このような父親の姿勢を反面教師にする方向で子どもが育ってくれればよいですが、「こういうものなのだ」と刷り込まれてしまうと、「人が助けを求めていても、面倒くさかったり疲れていれば、何もしなくていいのだ、無視してもいいのだ」という考え方を育ててしまいます。
親が必死で子どもをいい子に育てようと努力をしていても、NGな夫婦仲を子どもに見せてしまうことで、その努力が知らず知らずのうちに水の泡となっているということがあるのです。「ちゃんと教育しているのに、子どもが言うことを聞かない、わがままで困ってしまう」と嘆く前に、一度子どもに日頃見せている自らの後ろ姿、夫婦の仲を見直してみませんか? もしドキッ!と思い当たるフシのある方は、今からでもお互いに思いやり、協力し合う優しい夫婦関係を築きなおしていってください。親が変われば、きっと子どもも変わります!
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