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全天周CG映像『銀河鉄道の夜』(2ページ目)

サンシャインのプラネタリウム"満天"全天周デジタル映像『銀河鉄道の夜』がいよいよ公開。宮沢賢治の独特の世界観を気鋭のCGクリエイターKAGAYA氏が全天周デジタル映像で見事に再現!

執筆者:落合 宏樹

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2.番組で重要な3つのキーワード

三角標とは

宮沢賢治さんの時代には、全国的に三角測量が行われ、測量用の高い櫓(=高覘標)が多く作られており、物語に出てくる三角標はこれのことだと考えられます。KAGAYAさんは1~6等の三角標をデザインし、星の位置と等級にしたがって空の野原に正確に並べたそうです。銀河鉄道の車窓から見える何百という大小さまざまな三角標は、夜空に見る星座の形なのです。 2006年KAGAYAスタジオ提供
(c)KAGAYAスタジオ

汽車のデザイン

宮沢賢治さんの住んでいた岩手県/花巻には、当時、岩手軽便鉄道という汽車が走っていて、まさに銀河鉄道のモデルと考えられます。花巻駅には東北本線のもう少し大きな機関車も走っていましたが銀河鉄道の客車をゴトゴト引くのは、この小さな軽便鉄道の方にイメージが近かったと考えられます。

岩手軽便鉄道の小さな汽車は、現在も愛知県の『明治村』で実際に人々を乗せて走っており、KAGAYAさんは、それを知った翌日に早速明治村を訪れたそうです。

南十字座

2006年KAGAYAスタジオ提供
銀河鉄道は2つの十字架にかけての天の川の岸を走る
(c)KAGAYAスタジオ
銀河鉄道は、空にある2つの十字架、北十字から南十字にかけての天の川の岸を走っていきます。物語のクライマックス『サウザンクロス停車場』から見える十字架は、この星座『南十字座』がモデルです。天の川の中にある、形の整った明るい星の並びは、南半球の星空のシンボルとされています。
試写会でKAGAYAさんは「銀河鉄道の挿絵創りはまだ完成していません。一人でも多くの方が『銀河鉄道の夜』の世界を楽しめるよう、これからも製作を続けます。何より私自身がずっとこのまま、銀河鉄道に乗っていたいのです。」と、この作品への思いの深さを語っていました。 2006年6月撮影
『銀河鉄道の夜』との出会いや
思いを語るKAGAYAさん
空に横たわる天の川や、南十字星などをたどる星めぐりの旅は約40分間ですが「え?もう終わっちゃうの?」というのが正直な感想。星空に強い憧れを抱く私も、ずっとずっと銀河鉄道に乗って、星の光でできた風景の中を走り続けたい・・・そう思いました。
●上映期間:2006年6月17日(土)~9月10日(日)
●上映時間(各上映時間は約40分)
◇6/17~7/14:12時/14時/16時/18時の回
◇7/15~8/31:12時/15時/17時/19時の回
※7/7(金)12時の回は、イベント開催のため上映なし
●料金:大人800円、小人500円(4歳~小学生未満)
※全席自由・入替制
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