大学の定員割れ時代がやってきた!

画像の代替テキスト
各大学はいかに優秀な生徒を集めるか、また指導していくかに本腰を入れざるを得ない状況に
文部科学省の試算では、2007年度に大学の収容率(入学者数/全志願者数)が100%になると予想されていました。しかし、実際は景気の好転によって思っていた以上に受験生が増え、いわゆる全員入学の時代は数年後に先送りになるようです。全員入学といっても、およそ偏差値50ぐらいを境界にして、定員割れを起こしている大学と上位の人気大学との間で大きな格差が広がっています。

しかし、「平成18年度私立大学短期大学等入学志願動向」によると、私立大学の約40%、短期大学の約52%で定員割れを起こしているということです。このような事態はさらに深刻化することが今現在でわかっているので、各大学は生き残りをかけてさまざまな努力を払っています。

大学改革待ったなし!の現状

すでに何年も前からこのような事態は予測されていました。それに手をこまなくことなく、各大学はすでに以下のような大学改革を実行に移してきています。

■教員や授業の見直し
大学の主たるコストが大学の教員の費用。一度大学の教員になったら、定年までその身分を保証されていたので、中には論文も一切書かない教員も多くいます。指摘されることとしては、「毎年同じノートを棒読み」「自分の本を生徒に買わせるだけ買わせてまったく使わない」「雨が降ったら休講」など、その資質が問われる内容ばかりです。

しかし、今ではアメリカの大学と同様に生徒によるアンケート制を導入したり、指導方法の研修会なども行われるようになりました。やっと大学も生徒の声を聞くという「マーケティング」の基本を実行しはじめています。具体的には、慶応や立命館大学はいち早く信賞必罰の体制をつくり、全国から優秀な教員を招聘し、改革のリーダーとなっています。一方で、いまだに古いシステムを破れない大学もあるのも現実です。

■就職率アップとその後のケア
就職率アップのためにも、各大学は過去の栄光だけに頼るのではなく積極的に企業とタイアップをして、インターンシップ(在学中に企業研修を行う制度)を推進しています。というのも、就職率を上げる一方、せっかく就職しても現実と理想のギャップを埋めれず3年以内にやめる卒業生が増加しているからです。大学の就職担当者は相当苦慮していますが、離職率が下がれば大学として評価され、その分、就職で有利となれるので大学は必死です。

■魅力的な教育体制の構築
人気のなくなった既存の学部を解体し、新しい形態へ再生する作業も進んでいます。特に人気が下落していたのが理工学部。2007年度から早稲田大学を筆頭に、工学部の再編成が全国的に行われます。早稲田大学は理工学部を改組3学部体制(基幹理工・創造理工・先進理工の3学部)に改編予定。第一文学部・第二文学部は、文学部と文化構想学部に改編される予定です。早稲田大学総長の白井克彦氏は京都新聞(2006年4月1日付)で、

「一つの柱は生涯学習だ。専門職大学院を充実するほか、小学校の廃校を活用して地域協働も試みている。少子化が問題と言われるが、18歳だけがお得意さんではない。また、世界を見ればニーズはいくらでもあり、海外入試も積極的に展開する。2008年には東京女子医科大と共同で大学院を設立し、新たに生命医療分野の教育研究も進める」

と述べていて、団塊世代をターゲットにしたカリキュラムも考えているようです。

他に最近の大きなニュースでは、慶応大と共立薬科大が合併し、慶応大学に薬学部が誕生します。慶応大学ですら、常に変革が問われる時代になってきているのです。

>>新司法試験の結果が大学の未来を占う?>>