宿場には遊郭と神社仏閣がつきもの
そうした区ごとの博物館では、区内の代表的な史跡を「分館」とか「ミニ博物館」などと名付けて、文化財を展示していることが多いです。新宿区にも、それはいくつかありますが、その代表的なものが、新宿二丁目にある太宗寺です。今の新宿二丁目はゲイタウンとして名高いところですが、江戸時代には、遊郭街でした。江戸には、内藤新宿を含めて四つの宿場があり(品川宿、千住宿、板橋宿)、人の集るところに、そっち方面の娯楽施設は必須ということで、そのどれもに遊郭街ができ、旅よりそれが目的という、本末転倒な江戸の紳士も多かったと聞きます。明治以降も、新宿の遊郭街は「赤線」という名で存続しましたが、売春禁止法の発令によって消え、いつしか、美しいおにいさまたちが愛の出会いをする場所に変貌しました。
遊郭と並ぶ宿場に必須の施設は、もちろん神社仏閣です。江戸時代の人々の人生は、現代人のそれよりも、はるかに先の見えないもので、旅の途中で行き倒れて死んでしまうことも少なくありませんでした。そのため、保険をかけるかのように、まずは神仏にお参りして守っていただこう、と思ったのでしょう。
巨大地蔵と巨大閻魔は同一人物
江戸の結界と見なされる場所には、このようなお地蔵さんがあります |
写真では大きさがわかりにくいのですが、座った形で、3メートルぐらいはあるでしょうか |
地獄にせよ極楽にせよ、まず、服を脱いでから、ことを行うものらしいですね |
かくも大胆な本末転倒を平気で行ってしまう、愛すべき江戸の庶民たち。こういう珍発見こそが、ご近所の神社仏閣に遊びに行く醍醐味と言えましょう。
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■太宗寺
・所在地:東京都新宿区新宿2-9-2
・交通・アクセス:東京メトロ丸の内線「新宿御苑前」駅より徒歩1分
・地図:Yahoo!地図情報
・TEL:03-3356-7731
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