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納得できる葬儀社選びのポイントとコツ(2ページ目)

葬儀の善し悪しは葬儀社で決まります。理想の葬儀プランを描いていても、それを形にしてくれる葬儀社でないと実現できないからです。「本人や残された方の思いを形にする」葬儀社選びの方法をお伝えします。

吉川 美津子

執筆者:吉川 美津子

葬儀・葬式・お墓ガイド

病院に出入りする葬儀社に依頼してもいい?

近年、病院から紹介された葬儀社を選択する人は減少傾向にあります
近年、病院から紹介された葬儀社を選択する人は減少傾向にあります
病院で亡くなると、病院スタッフにこう聞かれることがあります。「葬儀社はお決まりですか? 」と。「まだ決まっていません」と返事をすると、すぐに葬儀社が遺体を引き取りにきて自宅や安置場所へ搬送します。そして、そのままごく当たり前のように葬儀の話になるという段取りになります。10年ほど前までは、葬儀社を選ぶ方法の上位に「病院からの紹介」があげられていましたが、ここ数年はその割合が低くなって、現在ではわずか数パーセントになりました。インターネットの普及などで自分で葬儀社を調べる手段が増えてきたことによるものだと思われます。

ここで言いたいのは「病院に出入りしている葬儀社は悪い」ということではありません。一般的に私立病院に出入りする葬儀社は、多額の契約金を支払っていることが多く、その費用が葬儀費用に上乗せされているケースが珍しくありませんが、良心的な葬儀社であるがゆえに病院から信頼されて深いかかわりを持っている場合もあります。何が問題かというと、病院から紹介されてそのまま何も考えずに自動的に葬儀社を決定してしまうこと。それはつまり行き当たりばったりの葬儀社に大切な方の葬儀をゆだね、数十万~数百万もの大金を支払うことになるのです。よく考えてみれば危険な賭けだと思いませんか。

しかし実際には「葬儀は事前相談をしたほうがいい」とわかっていても実際になかなか行動できなかったり、不慮の事故で突然死が現実に起こることもあり、その場合などは病院から紹介された葬儀社が頼りになります。その際はご遺体を搬送して安置した後、葬儀の内容の説明を受け見積書をもらってください。そして一旦は保留にして他の葬儀社に連絡し、同じように説明を受けます。数社を比較検討した後、どの葬儀社にするか正式決定すればいいわけです。「今火葬場を押さえなければ○日後になってしまいます」「棺に納めてしまいましたから、他社への変更はできません」など、あれこれ口実をつくって受注しようと葬儀社側も必死です。「今決めないと○○しますよ! 」とまるで脅しのように強い口調で迫ってくる葬儀社があればその時点でアウト、冷静に判断して「この葬儀社なら安心」と思える葬儀社を選びましょう。

ズバリ! お勧めできない葬儀社

葬儀社を選ぶときには費用や内容をチェックするだけでなく、一件一件の葬儀を大切に施行してくれる葬葬儀社か見極めましょう
死や葬儀に慣れすぎてしまっている葬儀社もあります。葬儀社を選ぶときには費用や内容をチェックするだけでなく一件の葬儀を大切に施行してくれるか見極めましょう。
葬儀社選びの際「最低限これだけの基準を満たしておきたい」という項目をズバリ! お伝えします。

1. 葬儀の相談をしているのに「すべてお任せください」と言うだけで細かい打ち合わせをしない葬儀社 
2. 見積書の提示をせず、追加費用等についても明示・説明しない葬儀社
3. ホームページやパンフレットに書いてある内容と極端に違う葬儀社
4. 打合せ担当、葬儀施行担当、集金担当など1件の葬儀に対して担当者が変わってしまう葬儀社
5. 個人情報の管理について無頓着な葬儀社
6. 死に対して尊厳を持たず、死や葬儀に慣れしてしまっている葬儀社

1~6の項目に該当する葬儀社は、お客様の立場にたった考えを持っている葬儀社とは言えません。事前相談の時、打ち合わせの時、もし上記項目に該当するような話が出た場合には、その場でご縁がなかったものと思って話を打ち切ることも止むを得ないでしょう。大切な方の葬儀の話をするわけですから、少しでも遺族や残された方の立場を考えている葬儀社と話を進めたいものです。


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