オプション追加で単価アップを狙う葬儀社の作戦
最初に誤解のないように言っておきますが、オプションが悪いと言っているわけではありません。車や電化製品のパンフレットにもたくさんのオプションが掲載されていますよね。必要なら追加すればいいし、必要でないならわざわざ追加する必要はないのです。葬儀のオプションで問題なのは、遺族が希望していないのに無理やり追加してしまうこと。
例えば、
・遺族が希望していないのに、無理矢理エンバーミング※1や湯灌(ゆかん)※2をすすめる
・遺族が希望していないのに、無理矢理お香典返しの即返し※3をすすめる
などです。ほかにも「故人にはお化粧をしたほうがいいですよ」とか「司会は専門のプロにお願いしたほうがいいですよ」など、言われるがままオプションを追加してしまったというケースがあるようです。
※1「エンバーミング」ご遺体を特殊技術で衛生的に保全すること
※2「湯灌」ご遺体をきれいに洗浄すること
※3「即返し」お香典返しを葬儀当日に渡すこと
ご遺体によってはエンバーミングが必要なこともありますし、遺族と故人のお別れの場として昔ながらの湯灌の風習を残すことも大切です。ご遺体にお化粧をしたり、葬儀の進行をプロの司会者にお願いするなど、これらのオプションは上手に利用すればとてもいいシステムなので、葬儀社から内容や費用の説明をきちんと聞いて納得したうえで実施したほうがいいですね。
えっ! こんなところでも追加費用発生?
案内看板1枚追加するだけでも数千円の費用が加算されることがあります。見積時に追加する必要が生じた場合の費用を確認しておきましょう。 |
・ドライアイス ○○円×日数分
・安置費用 ○○円×日数分
・飲み物 実費
当日になってみないとはっきりとした金額がわからないものに関しては、「実費」「日数分」と表示されていることがあります。「葬儀一式○○円」の中にすべて含まれています、と説明があっても、後で「飲み物代だけは入っていませんでした」とか、「ドライアイスは一日分しか含まれていません」と別途請求されるケースも少なくありません。
また、見積書には書かれていなかったけれど、イザ葬儀を行う段階になって「どうしても必要だから」という理由で追加費用が発生する場合もあります。例えばこんなケースがあります。(※料金は参考にしてください)
・「わかりにくいからここにも看板置きましょう」と立て看板を置く
→1枚3,000円追加
・「参列者の人数が多いから、スタッフを1名増やしましょう」
→1名20,000円追加
・「身長180cmの男性なので通常より大きめの棺にしましょう」
→10,000円追加
葬儀社からしてみれば悪意はなくても、このように加算していくうちにセット価格をはるかに上回ってしまう、なんてことよくある話です。ひとつひとつの金額は大きくありませんが、ちょっとした誤解が不信感につながってしまうこともあります。「この備品やサービスは料金に含まれているのかな」という疑問点や不明点は、すぐに担当者に聞いて問題を解決しておきましょう。
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