タイにはいくつ世界遺産があるかご存知ですか? 答えは4つ。その3つが遺跡で、1つが自然遺産です。前回はバンコクから日帰りで行くことのできる
アユタヤをご紹介しましたが、今回はタイ族が初めてつくった王朝、スコタイ王朝の遺跡をご紹介します。
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タイ人の心のふるさとスコタイ王朝の歴史……P.1スコタイ遺跡の見所と周り方テクニックを紹介!……P.2はずせない遺跡スポットのご紹介……P.3タイ国民の心の故郷スコタイ
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世界遺産に登録されているスコタイ遺跡。静寂の中に佇む仏像は見る人を魅了し続けている |
「幸福の夜明け」という意味を持つスコタイ王朝は、バンコクから、北へ約447kmのあたりに位置しています。バンコクから
飛行機で約1時間、長距離バスで約7時間かかります。スコタイには鉄道の駅はありませんので、鉄道で行く場合はスコタイから車で約1時間のピッサヌロークで降りることになります。スコタイにも数は少ないながらホテルなどの宿泊施設はありますし、ピッサヌロークを拠点にして遺跡めぐりすることもできます。
タイ人にとって心の故郷スコタイはタイ民族最初の王朝で、タイ文字を作り出し、スリランカから伝来した上座部仏教(テーラワーダ仏教)をタイ国内に普及させませいた。まさにこのスコタイ王朝が今のタイの基礎を築いたのです。
スコタイ王朝の栄枯盛衰
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王朝の栄枯盛衰を見てきた仏像たち |
スコタイ王朝は13世紀、当時この地を支配していたクメール帝国(今のカンボジア)の内乱をきっかけに、クメール族を倒し、タイ族による初の王朝として創られました。そんな歴史的背景もあり、スコタイ文化にはクメール文化の影響が色濃く残っています。
そして、この王朝で1番名前を残したのは第3代ラムカムヘン大王でしょう。タイ文化の基礎となるタイ文字、仏教、陶芸などの文化を広めたのはこのラムカムヘン大王と言われています。今もこの功績が語り継がれ、その名前は国立の大学名として残されるほどです。しかし、これだけのことを成しえているにも関わらず、ラムカムヘン大王の後、王からは国勢は急激に弱まり、1378年にはアユタヤ王朝に従属する形で統合されてしまいました。わずか140年という短い王朝ではありますが、タイの長い歴史に名を刻んだ王朝と言えるでしょう。
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