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博多湾に浮かぶ癒しの島~能古島~

博多湾に浮かぶ能古島。周囲約12キロの小さな島は都会で疲れた身体と心を癒してくれる、そんな空気が流れるところ。海と風、そして緑に季節ごとに咲く花々を体感してみては!? きっと心穏やかになれるはず。

執筆者:松尾 圭

博多湾に浮かぶ能古島。福岡市から最も近いリゾート地といってもイイ程、癒されます。
博多湾に浮かぶ能古島は、福岡市西区にある姪浜渡船場からフェリーに乗って約10分で着く場所。夏は海水浴など海のレジャー、秋はコスモスの名所、冬は博多湾で獲れる新鮮で旬な魚を楽しんだりと、福岡市で最も近くて意外なリゾート地。これからの季節は、菜の花に桜と春の息吹を体全体で感じられます。ちょっと都会の生活に疲れたとき、フェリーに揺られ、のんびりした癒しの島まで云ってみませんか!?



博多湾に浮かぶ癒しの空間~能古島トリビア~

島内にある能古夢珈琲園。自家栽培の珈琲豆で挽かれたコーヒー(\150)は濃くと程より酸味が絶妙。
福岡市という大都市の目の前にありながら僅か10分の船旅で都会の喧噪を忘れられる能古島。福岡市民の身近な行楽地として親しまれている癒しの島。福岡市のコスモスの名所として有名ですが、様々な花が一年を通して楽しめる自然豊かな場所です。また毎年8月にはサルサのフェスティバル「イスラ・デ・サルサ」が催され、多くの音楽ファンで賑わいます。

歴史的にも古くは「残」、「能許」、「能挙」、「乃古」と記載され、島内には弥生時代の遺跡や、7世紀前後の古墳が存在しています。奈良時代には島北端の也良岬(やらみさき)に防人が設置され、万葉集には「沖つ鳥 鴨とふ船の 帰り来ば 也良の防人 早く告げこそ」と詠まれている。島北部にある能古島アイランドパーク内には防人時代の狼煙台が復元されています。

能古島の説明文ならびに地図。
また遣新羅使が寄港地であった対岸の糸島半島・唐泊で出航を待つ心情を綴った「風吹けば 沖つ白波 恐みと 能許の亭に 数多夜ぞ寝る」という歌も万葉集に残されています。平安時代中期に編纂された『延喜式』兵部式には、島に馬牧があった旨の記述が残され、藤原純友家臣の伊賀寿太郎が築城したと伝えられる城崎城の遺構が島南東の城ノ浦に残っていたり、1019年の刀伊の入寇や1281年の弘安の役に際しては島に上陸されたなど、いにしえの時代から歴史にその名を記している海上の要所であった場所。

その後、戦国時代には大友氏家臣高橋鑑種の所領(石高は25石)となり、江戸時代には福岡藩の鹿狩りの場とされて、幕末の1853年にはこの狩場でイギリスのスターリング東洋艦隊提督が鹿狩りに興じたという記録が残っています。ちなみに島の鹿は1945年頃に全滅しています。



えっ! あれって能古島が発祥なの!?~能古島自慢~

能古島品のガイド一押しの地サイダー「NOKORITA」(\210)。その味に病み付きになりそう。
私達が今では普通に食べて、日本の食卓に定着している「かいわれ大根」が実は能古島が発祥の地であるということを皆さん、ご存知だったでしょうか? 「かいわれ大根」って、能古島在住の前田瀧郎さんが考案した食材なのです。前田さんはあるテレビ番組の中で、「あの時、特許を取っていれば...」と苦笑いして語ったことがあり、その教訓を生かして、後に落花生のモヤシ・「ピーナッツもやし」を考案した時には特許を取得したそうです。

この「ピーナッツもやし」、福岡市内の飲食店で時々、目にすることがあるかと思います。その時は是非、迷わずオーダーして食べてみて下さい。オススメは「ピーナッツもやし」のてんぷらで、塩(or抹茶塩)で食べると、その甘みと旨味を味わえます。ガイドも大好きな食材です。

能古島には「かいわれ大根」や「ピーナッツもやし」以外にも、魅力的なものがまだまだあります。そんな魅力的なものとして、まずは地サイダーをご紹介します。

能古島サイダーとNOKORITA。ラベル、可愛くないですか!?
地サイダーには2種類あり、その名は「能古島サイダー」と「NOKORITA」(各330ml、\210)。「能古島サイダー」は昔懐かしい味で、すっきりとした炭酸と甘みが渇いた喉を潤してくれます。そして「NOKORITA」は夏みかんの爽やかな味と喉こしのシュワッと感が心地いいサイダー。一度飲むとクセになりそうなほど。そして、そのラベルはノスタルジックな味わいとおしゃれなもので、お土産にも喜ばれると思います。

またうどん発祥の地・博多で、「古式切り麦法」にて製造している「能古うどん」は、細くてツヤツヤとしていて白く透き通るような麺。見た目以上にコシがあり、うどんの旨味を十二分に味わえる逸品です。ざるうどんとして食した際のツルツルとした喉こしは最高なご馳走の1つになるはず。乾物としてのうどんもあり、お土産品としも活用できる「能古うどん」、一度ご賞味あれ。

亜熱帯~熱帯の木々。とっても大きな木。
そして、能古島にコーヒー園があることご存知でしたか!? 渡船場から島の東側を進んでいくと、珈琲園を案内する看板に遭遇します。その看板に従って進むと、能古夢珈琲園が見えてきます。ここのビニールハウスの中ではコーヒーをはじめ、マンゴやパイナップルなどの亜熱帯から熱帯地方の植物が所狭しと、その存在感を示しています。この珈琲園で収穫されたコーヒー豆を使ってのコーヒーはちょっと贅沢な時間を過ごせます。



能古夢珈琲園



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