由布姫パスポートで諏訪湖畔をオトクに遊ぶ

湖畔は公園として整備され、散策が気持ちいい！

つい先日、長野県の諏訪にふらっと行ってきました。上諏訪駅の改札を出たところで、偶然ユニークな小冊子を発見！　無料で配布されていました。諏訪で遊ぶには、かなりオトクなパスポートでしたので、ご報告がてらご紹介したいと思います。その名も「由布姫パスポート」。諏訪市は、現在放映中のNHK大河ドラマ「風林火山」のヒロイン、由布姫ゆかりの地であることから、それにあやかってこのパスポートが発行されました。12月31日までキャンペーンを実施中です。

パスポート提示で割引になる美術館へ

高島城の写真が目印の「由布姫パスポート」

パスポートを提示すれば、美術館、宿泊施設、飲食店など、なんと全87ヶ所で割引サービスやプレゼントなどの特典を受けることができます。こちらのパスポートは駅などの市内公共施設のほか、観光案内所、旅館組合加盟旅館、参加各店舗などで配布されています。

今回はこのパスポートを利用して、丸一日たっぷり諏訪湖畔を満喫してきました！　その様子をご報告します。

建物にも原田氏の色彩感覚が取り入れられています

まずは湖畔に沿って美術館をハシゴしてみることに。上諏訪駅からスワンバス（1日300円）で向かうこともできるのですが、天気も良かったので、のんびり歩いて向かいました。湖畔の歩道は地面にクッション性があり、長く歩いても疲れません。爽やかな風を感じ、湖畔の緑を眺めつつ歩くのは気持ちがいいものでした。時折、ジョギングやウォーキングを楽しむ地元の人たちとすれ違いました。

上諏訪駅から湖畔沿いに30分ほど歩いて「諏訪市原田泰治美術館」に到着。パスポート提示で入館料が200円OFFの600円になります。

地元の諏訪湖を題材にした「諏訪湖の夕暮れ」（1978年）

「諏訪市原田泰治美術館」は、諏訪市出身の画家、原田泰治氏の作品を展示する美術館。日本のふるさとをテーマに全国をくまなく取材し、その土地の風景とそこに暮らす人々を愛情をもって描いています。それらの作品に共通するのは、懐かしい日本のふるさとの情景。日頃忘れがちな他者への優しいまなざしも感じ取ることができます。

京都府伊根町を取材した描かれた「舟屋」（1982年）

7/8までは1階で企画展「原田泰治と行く　海を見る旅」展を開催中。海のない信州で育ったことから人一倍海に憧れを抱いていた原田氏には、海ををテーマにした作品がことのほか多いそう。ひとことで海と言っても、漁村であったり海辺の集落だったり砂浜であったり…。さまざまな表情をもつ海と、そこに暮らす人々の暮らしぶりが伝わってきます。2階の常設展には海外を取材して描かれた作品もあり、計70点以上の作品を一点一点眺めていくうちに、まるで各地を旅しているかのような気分になれました。旅好きな私は始終ワクワクし通しでした。

湖畔の美しい景色を眺めていると時間を忘れそう

ちなみに7/11～9/9は、原田氏と交流のある詩画作家、星野富弘氏の作品を展示する「星野富弘　花の詩画展」を開催予定です。

2階には、大きなガラス窓から諏訪湖を一望する喫茶室もあり、季節のタルトや高原牛乳たっぷりのシュークリームやプリン、諏訪特産のかりんティーなどでひと休みしてもいいでしょう。

「諏訪市原田泰治美術館」
・住所：長野県諏訪市渋崎1792-375
・地図：Yahoo!地図情報
・TEL：0266-54-1881
・開園時間：9:00～17:00（入館は16:30まで。但し花火大会の日は～15:00）
・定休日：月曜（祝日開館、8月無休）、年末年始及び展示替え期間中は休み
・料金：大人800円
・交通：（電車）JR中央本線上諏訪駅からバスで約10分、原田泰治美術館バス停下車すぐ
（車）中央自動車道諏訪ICから約10分

割引に加え、2つの美術館が鑑賞できる！

美術館のほか、ガラスショップやレストランなども併設する「SUWAガラスの里」

その後、諏訪湖畔をそのまま南下、20分ほど歩くと「北澤美術館 新館」に到着します。こちらの美術館は、エミール・ガレ、ドーム兄弟、ルネ・ラリックなど、アール・ヌーヴォーのガラスアートの代表的な作家作品を展示しています。

エミール・ガレ作「フランスの薔薇」（1902～04）

照明を落とした空間のなかで、作品だけにスポットライトが当たり、美しく浮かび上がるように展示されています。工芸技法の素晴らしさに圧倒されるとともに、優雅な気分が味わえました。企画展ではガラスアートに限らず工芸全般をテーマにしていて、現在は「ポーラ美術館所蔵　日本近代陶芸名作集」を開催中（～11/28）。箱根にあるポーラ美術館の所蔵する陶芸作品のなかから人間国宝12名をはじめ、河井寛次郎や北大路魯山人など優れた作家による名作が一堂に集まったもの。こちらも見逃せません。

マーブル玉や花玉が作れる「とんぼ玉創作体験」

美術館1階は、世界中からガラス製品を約1万点集めた日本最大級のガラスショップになっているので、夏らしい涼やかな酒器やワイングラス、花器や風鈴などをお土産にするもよし、体験工房でとんぼ玉（1,575～2,625円）や吹きガラス体験（3,150円）のほか、リューター（ペーパーウエイトに好きな文字や模様を彫る）体験（1,575円）、クリスタルのハンコ製作（2,625～4,725円）など、さまざまなガラス体験ができるので、トライしてみるのもいいでしょう。

広々とした店内でのお土産選びも楽しい！

美術館への入館料は通常大人1,000円ですが、パスポートの提示で200円OFFの800円になります。さらにこの入館料で「北澤美術館 本館」（新館からバスで約10分）も鑑賞できるので、ぜひ両館とも観ておきたいもの。本館にはガラスコレクションのほか、現代日本画が展示されています。

「北澤美術館 新館」
・住所：長野県諏訪市豊田2400-7
・地図：Yahoo!地図情報
・TEL：0266-57-2100（代）
・開園時間：9:00～18:00（11～3月は～17:00。入館は閉館30分前まで）
・定休日：無休
・料金：大人1,000円
・交通：（電車）JR中央本線上諏訪駅からバスで約20分、SUWAガラスの里バス停下車すぐ
（車）中央自動車道諏訪ICから約15分

由布姫パスポートにはこの他3ヶ所の美術館や博物館、高島城でも特別料金で入場することができます。次ページでは、もうひとつのお楽しみ、湯めぐりへと出かけましょう。詳しくは次ページへ。