下流の子は下流、上流の子は上流!?
時々、「学力格差」が広がると何が問題なの?という声を耳にします。学力格差の一番の問題点は、下流の子は下流、上流の子は上流という「階層の固定化」につながることです。階層の固定化は、金銭的にも教育的にも水準の高い家庭の子は私学や学習塾に通うなど十分な教育が受けられ、その結果高い学力が得られるが、一方で教育水準が高くない家庭の子は十分な教育が受けられず低い学力しか得られない。こうして親の階層によって子どもの階層がほぼ決まってしまうというものです。
学力格差を克服する手立てはないのでしょうか?
学力格差は「家庭の教育格差」
親子のコミュニケーションは学力格差克服への近道 |
家庭の教育格差とは、経済状態、生活習慣、コミュニケーション、文化的教養の違いなど。例えば、早寝早起き、朝食をしっかりとること、読み聞かせ、政治や経済の時事の関心事など。家庭に百科事典が置いてあるか否かだけでもずいぶん違うのだとか。そうです、これは「何かわからないこと」があった時に一緒に調べてみることができ、親子のコミュニケーションの機会にもつながるから。家庭でのこうした取り組みの違いが、学力格差の大きな要因といわれます。学力格差克服のヒントはここにあるのです。
もちろん、子どもを学習塾へ通わせることも選択肢の一つ。ただ保護者の方の中には、子どもが中学3年生(受験生)になってから塾に通わせれば「それで安心」と思っていらっしゃる方もいるようです。ですが、学習塾関係者の間では、最近の中学生は分数や小数の計算さえもままならず、入塾してきても小学校の計算ドリルからやり直さないといけないとか……。これでは高校受験もままなりませんね。場合によっては早い段階からの入塾を考えてみることも大切です。
手遅れにならないためにも大切なことは、子どもの学力の様子を親がしっかりと見守ってやること。親子のコミュニケーションがしっかりとれていれば、子どもがどこでつまずいているかすぐに気づいてあげられるでしょう。
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・教育格差―親の意識が子供の命運を決める(PHP研究所)
<関連サイト>
・東京大学基礎学力研究開発センター