桜も楽しめる古都・奈良の世界遺産
世界遺産「古都奈良の文化財」の一つ、興福寺から五重塔と桜(2008年4月5日撮影) |
遥か昔の710年、平城京として都が置かれた奈良。長岡京へ遷都されるまでの74年にわたって、都として賑わいました。その後も南都として歴史の舞台に登場し、奈良時代に作られた歴史的建造物が1200年以上の時間を過ぎても当時のまま残っているという点が評価され、8つの史跡が「古都奈良の文化財」として1998年に世界文化遺産に登録されました。
なぜ奈良の世界遺産が春先にお勧めかと言うと、その理由は桜との組み合わせ。桜と世界遺産の組みあわせという素敵な風景が待っているからです。
興福寺の南円堂と桜(2008年4月5日撮影) |
興福寺は669年に「山階寺」として建立され、都の遷都と共に移動し、平城京遷都と共に現在の位置に落ち着き「興福寺」という名前になりました。
興福寺と言えば良く知られているのが五重塔。730年に建立された後、焼失と再建を繰り返し、現在の塔は1426年に再建されたものです。東寺(京都)の五重塔についで、木造の塔としては国内で2番目に背の高い塔となります。
ガイドが2008年4月始めに訪れた時は五重塔や、西国三十三ヶ所霊場の9番札所でもある南円堂にて桜との組み合わせを見られることができました。
東大寺と桜(2008年4月5日撮影) |
東大寺は741年に建立されました。大仏が開眼したのは752年で、その後焼失と再建を繰り返して江戸時代中期に建てられた建物が現存しています。
境内に桜の木が点在しているので、たくさんの重要文化財・国宝と桜の組み合わせのアングルを探してみるのも楽しいでしょう。
「古都奈良の文化財」を構成する史跡は、西ノ京にも点在しています。鑑真和尚が創建した唐招提寺(とうしょうだいじ)と2つの三重塔で知られる薬師寺、少し離れた所にある平城京跡が、世界遺産に登録されています。
薬師寺の白鳳伽藍。左から東塔・金堂・西塔(2008年4月5日撮影) |
2つの三重塔のうち黒い外観の東塔は、奈良時代に作られたまま現存している貴重な存在。金堂を挟んで対にある赤い外観の西塔は戦国時代に焼失したものの1981年に昔の様式と技術を使って再建されたものです。
中央にある金堂も1976年に再建されたものですが、両方の塔とあわせて美しい景観を見ることができます。
薬師寺の西塔と桜(2008年4月5日撮影) |
薬師寺には東塔・金堂・西塔がある白鳳伽藍の他に、西遊記で知られている玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)ゆかりの建物として建立された玄奘三蔵院伽藍があり、毎年期間を限定して内部が公開されます。中にある日本画家 平山郁夫氏の「大唐西域壁画」は見応えのある絵ですし、また南門の先にある休ヶ丘八幡宮には、美しいしだれ桜を見ることができますので、ゆっくりと散策すると良いでしょう。
※世界文化遺産「古都奈良の文化財」へのアプローチ方法については、3ページにまとめておきました。
春先に訪ねてみたい日本の世界遺産として、沖縄と奈良の2ヶ所をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。暖かくなる春先の旅のプランの一つとして、参考にしてみてください。
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