共同浴場と足湯で温泉の風情を気軽に楽しむ
川原湯温泉の共同浴場・王湯。源泉の上にあり、内湯、露天風呂を楽しめます(2009年1月撮影) |
川原湯温泉には、旅館の他に共同浴場が3箇所あり、有料にて開放されています。一番大きいのが、温泉街の奥に位置する王湯。最初に紹介したとおり、源頼朝が川原湯温泉の開湯に関わりを持っていたことから、王湯の建物には源氏の家紋である「笹竜胆(ささりんどう)」が大きく掲げられています。
王湯では男女別の内湯と露天風呂が設けられていて、のんびりと温泉に浸かることができます。ちなみに、この王湯の真下には川原湯温泉の源泉が湧き出していて、川原湯温泉の旅館はすべてこの源泉からお湯を引いているのだそうです。
川原湯温泉の共同浴場・聖天様露天風呂。高台からの眺めが楽しめます(2009年1月撮影) |
笹湯は小さな内湯のみ、そして聖天様露天風呂は混浴でちょっと広めの露天風呂が一つあるだけのシンプルな共同浴場。聖天様露天風呂は高台にあるので、眼下を見下ろすことができる気持ちの良いお風呂です。
川原湯温泉は源泉の温度が70度~80度という熱い温泉ということもあって、ガイドが入浴した感覚では、王湯も聖天様露天風呂も熱めに感じました。
川原湯温泉の足湯。川原湯神社の真下にあります(2009年1月撮影) |
この足湯の横には、川原湯温泉の新源泉があるのですが、用意されているカゴに持ち込んだ玉子を入れて20分ほど待つと温泉玉子が作れるとのこと。時間があったら試してみるのも楽しそうです。
毎年1月20日に行われる奇祭、湯かけ祭り
川原湯温泉で見かけた湯かけ祭りのイラスト。ふんどしを巻いた人たちがみんなでお湯をかけあうお祭りです(2009年1月撮影) |
400年ほど前のこと、温泉のお湯が突然出なくなってしまい、困り果てた村の人たち。そんな中である人が温泉の匂いをかいでニワトリの玉子をゆでた時と同じ匂いがするという話から、ニワトリを生け贄にしてお祈りした所、再びお湯が湧きだしたのだそうです。
これに喜んだ村人たちがお祝いしているうちに、みんなでお湯をかけあうようになったのが「湯かけ祭り」の始まりとされているとのこと。
「湯かけ祭り」は、毎年1月20日午前5時より王湯の前を舞台にして行われます。ふんどし姿の男性が川原湯神社にお湯を奉納した後、お湯をみんなでかけ合って温泉の神様に感謝する姿は強い印象を与えます。早朝からのお祭りなので宿泊しないと見るのは難しいですが、川原湯温泉ならではのお祭りなので、機会があえばぜひ見ておきたい所です。
800年以上の歴史を刻んできた名湯、川原湯温泉ですが、まもなく大きな転機を迎えることになります。その転機とは?次ページをご覧ください。