伊香保、草津、万座、四万、水上など人気の高い温泉地を数多く抱える群馬県。そんな群馬県の温泉の中で、昔ながらの情緒が味わえる静かな温泉が川原湯(かわらゆ)温泉です。

開湯から800年以上の歴史を誇る川原湯温泉は、21世紀を迎えた今、建設中のダムの完成と共に古き温泉街の移転を余儀なくされるという運命を抱えた温泉でもあるのです。

今回は、吾妻の名湯と呼ばれる川原湯温泉をご紹介します。ここには思わず懐かしさを感じる、そんな風景が残っていますよ。

源頼朝が発見した川原湯温泉

川原湯温泉の温泉街(1)
川原湯温泉の温泉街。細い坂道の両脇に旅館やお店が点在する静かな温泉街です(2009年1月撮影)
川原湯温泉Yahoo! 地図情報)は、群馬県の西部、長野原町にある温泉。利根川の支流、吾妻川(あがつまがわ)が流れる谷の南側にある山間を少し上った所に温泉があります。

川原湯温泉への入口
川原湯温泉への入口。ここから10分ほど坂道を歩くと温泉街にたどりつきます(2009年1月撮影)
川原湯温泉の開湯は古く、800年以上前の鎌倉時代にまでさかのぼります。源頼朝が川原湯のあたりを通りかかった時、山の途中から湯煙が出ているのに気づいたのが温泉の始まりとされています。

またもう一つの説として、同じく800年ほど前に川原朝臣権頭光林(かわらのあそんごんのかみ こうりん)という僧侶が、川原湯温泉がある場所の近くに泊まった際、夢枕に現れた薬師如来様のお告げにより温泉を見つけたという説があります。

温泉に何度も浸かって自らの体を健康にしたことがきっかけで、村人たちもその恩恵を受けたとのこと。こちらの説では僧侶の名前より、この温泉が「川原湯」と呼ばれるようになったという逸話も伝えられています。

川原湯温泉の温泉街(2)
歴史ある温泉だけに古きたたずまいを見せる旅館もあります(2009年1月撮影)
川原湯温泉駅近くの入口から坂を10分ほど上って行くと道の両脇に数軒の旅館やお店が点在する川原湯温泉の温泉街が登場します。

十数分もあればで歩けてしまうコンパクトな温泉街ではありますが、古きたたずまいの外観を持つ旅館もあり、のんびりとした風情を感じながら散策するにはちょうど良い雰囲気ですね。

川原湯神社
温泉街の一番奥にある川原湯神社。参道には道祖神が祀られています(2009年1月撮影)
そんな温泉街の一番奥にあるのは、川原湯神社。神社へ上がる石段の脇には道祖神がいくつか並んでいて、参拝した人たちの心をそっと癒してくれます。

神社の社殿は2001年の焼失後に再建されたものなので新しいですが、神社そのものは長い歴史を持ち、川原湯温泉をずっと昔から見守っています。毎年4月8日に開かれる春祭りでは、太々神楽が奉納されるとのことです。