今回の行き先は、【山形】 大正ロマンに思いを馳せる、山形・文翔館 |
多くの建物は、時代の流れと共に消えていきましたが、弘前(青森県)や鶴岡(山形県)など、東北地方には明治時代や大正時代に建てられた古い洋館を大事に保存している所がいくつかあります。
今回は、そんな古い洋館を大事にしている東北の町から山形県の県庁所在地、山形市にある文翔館(ぶんしょうかん)をご紹介します。大正時代の息吹を感じることができる素敵な洋館ですよ。
大正時代の県庁舎が現代によみがえる
文翔館・旧県庁舎の全景を道路の向かい側から撮影。山形県の県庁舎として1975年まで現役で使われていました(2003年9月撮影) |
文翔館の門より。イギリス・ルネサンス様式をベースにしたレンガ造りの旧県庁舎を見ていると、ここが日本国内であることを忘れてしまいそう。 |
1984年(昭和59年)になって隣にあった県会議事堂と共に国の重要文化財に登録されたことがきっかけで保存の運気が高まり、傷んだところを修理する工事が約10年かけて行われました。
晴れて1995年(平成7年)に山形県郷土館・文翔館として開館、今では山形の観光名所の一つとして、たくさんの人が訪れる名所となっています。
実際に訪れてみると、広い空間にたたずむその建物の大きさにただ圧倒されるのみ。建物の全貌を一目で見渡すためには、道路をはさんだ向かい側まで行かなければなりません。門の前に立ってみると旧県庁舎の正面玄関と文翔館のシンボルとも言うべき時計塔が見え、本当にここは日本国内?と錯覚を起こしてしまいそうな風景です。
外観・室内共にあふれる大正ロマン
文翔館・旧県庁舎の玄関。レンガ造りの建物と時計塔が美しい調和を見せています。 |
正面玄関を入ったフロアが2階。正面からはわからなかったのですが、旧県庁舎には中庭があって、その中庭を囲むような形で建物が建てられています。
受付でパンフレットを頂いて、各階の部屋を順次見学していきます。ガイドが訪れた時は、文翔館に常駐されているボランティアガイドの方にいろいろお話を伺うことができました。
文翔館の素敵な部屋たち。大正時代の雰囲気を忠実に再現しているとのこと。 |
また同じフロアには貴賓室や知事室がありますが、当時の家具を復原して配置したのはもちろんのこと、一部の部屋ではじゅうたんやカーテン、壁紙に至るまで大正時代のままに復原したとのこと。
部屋のシャンデリアや丸い鏡の鏡台といい、まさに大正ロマンの雰囲気を味わえる素敵な場所ですね。
たくさんある部屋の一部は会議室やギャラリーとして貸し出されていますので、訪れた日によってはギャラリーの展示も楽しめることが可能です。
旧県会議事堂との美しい対比
赤いレンガの色が印象に残る旧県会議事堂。右手奥にあるのが旧県庁舎(2003年9月撮影) |
建物の外から見てみると、旧県会議事堂が赤いレンガで造られていて、灰色のレンガで造られた旧県庁舎と好対照の印象を受けます。広々とした空間の中にたたずむ歴史ある2つの建物は、これからも訪れる人の記憶に残り続けることでしょう。
大正ロマンに思いを馳せることができる山形・文翔館のご紹介、いかがでしたか?歴史ある建物の見学は、季節を問わず楽しめますので、山形を訪れた際には、ぜひ文翔館に立ち寄ってみて下さい。
山形・文翔館へのアプローチ
東京と山形・新庄をダイレクトに結ぶ山形新幹線「つばさ」 |
<JR>
山形新幹線「つばさ」で山形駅下車。山交バスで山形市役所前バス停下車。山形駅から徒歩でも約20分。
山形自動車道 山形蔵王インターチェンジより、山形市役所への案内に従う。
文翔館周辺に駐車場が点在しています。
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