ホテル/関西のホテル

公共建築とスパの達人が作った癒しのホテル

琵琶湖湖畔に立地する「ロイヤルオークホテル スパ&ガーデンズ」。昨年、「大いなるやすらぎの場」をコンセプトに全面リニューアル。スパや屋外バス付きラグジュアリールームなど優雅な空間になりました。

執筆者:井村 日登美


公共建築で受賞多数の建築家、森勝敏氏が手がけた貴重なホテル

外観

ホテルは地上5階建て。なかに入れば、四季折々の草花が生い茂る庭が広がります。
琵琶湖湖畔に立地するリゾートホテル「ロイヤルオークホテル スパ&ガーデンズ」。同ホテルは梅野小路(京都市)の「緑の館」で都市景観市長賞をはじめ、学研都市記念公園(京都府)で第11回都市公園コンクール建設大臣賞など数々の賞を受賞した森勝敏氏(アーキヴィジョン企画建築事務所)設計によるものです。同氏は受賞経歴からもわかるように公共建築物を主に活動を展開。同ホテルは同氏が手がけた数少ない貴重なホテルの1つです。

オープンは1990年5月。建物は塔屋を中心に八角形に建物が配置され、渡り廊下でつながれています。メインとなる塔屋は2層吹き抜けの空間で、ドーム型の天井にはだまし絵が描かれ、その荘厳さはロビーウエディングの人気が高い、という点からでも理解できます。昨年、「大いなるやすらぎの場」をコンセプトに客室やスパ施設、チャペルなどを中心に全面リニューアル。中庭をイングリッシュガーデン風に整備し、四季折々に自然にふれる空間に生まれ変わりました。

ジュニアスイート
スイートルームには天蓋付きキングサイズのベッドを導入し、ゆったり感を演出。
客室は169室。以前は200室だったのですが、スイートルームやジュニアスイートルームを充実し、ブライズルームなどの婚礼施設に改装した分、減りました。スイートはジュニアスイートも含め19室。その他レストラン&バー7カ所、宴会場6室、そしてチャペルやフィットネス施設やスパ施設などを備えています。


建築家、浜田幸康氏による究極のスパ空間

昨年の改装で新設したのがスパ「Royal oak spa」。設計はスパの達人、浜田幸康氏(P.D.S.アーキテクツ一級建築士事務所)が担当しました。同氏は数多くのスパを手がけており、ホテルは「ホテルニューオータニ大阪」や「帝国ホテル大阪」、「横浜インターコンチネンタルホテル」、ハウステンボスの「ホテルヨーロッパ」などラグジュアリークラスばかりです。

また住宅と店舗も手がけており、その居住性とファッション性などをスパにもとり入れ、より快適なスパシーンを作り上げてきました。そうした発想を軸にスパを核とした客室との連動を含め、リラクゼーション空間を作り上げているのが同ホテルのスパです。

スパのツイン
トリートメントは中国のオイルや香草を使用など、趣向を凝らしている。
「Royal oak spa」はホテル1階地下1階にあり、個室5室(1人用4室、2人用1室)を備えています。2層の空間を巧みに利用し、廊下やリラクゼーションルームの天井高をできるだけ高くとっているのが印象的。淡い明かりと落ち着いた色合いのインテリアは心落ち着く空間になっています。

リラクゼーションルーム
スパにあるリラクゼーションルーム。壁には水が流れ心地よい水音が眠りを誘います。
施術後はリラクゼーションルームへ。これがまたすばらしいのです。2層吹き抜けの開放的な空間で、壁に水が流れる設えがしてあり、その水音が耳に心地良いのです。リラクゼーション用のベッドに寝ころび、四肢を伸ばす・・。ついウトウトしてしまいます。



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