大阪戎橋筋 小倉屋(をぐら屋)「扇翁」
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大阪ミナミ戎橋が誇る小倉屋さんのおぼろ昆布「扇翁」と「殿上昆布」です。 |
「天下の台所・大坂」。西に海を面する大阪は、日本全国各地から船が乗りつけて、さまざまな食材が集まりました。じつは大阪が誇る「くいだおれ文化」というのは南国産の鰹と、北国産の昆布の出汁を掛け合わせることによって生まれたものです。動物性の鰹だし(イノシン酸)と、植物性の昆布だし(グルタミン酸)をあわせると、相乗効果で「うま味」が約7倍になるのですが、それを江戸時代の大阪人は経験的に知っていたわけです。それだけに大阪人の鰹や昆布に対する思い入れは並々ならぬものがあって老舗の昆布屋、鰹節屋が大阪には数多く残っています。
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「扇翁」は、まるで雪のように淡く、儚く、こんな昆布が世の中にあったのか、と衝撃を受けます。「殿上昆布」も農林大臣賞受賞の逸品でオススメです! |
大阪ミナミは戎橋筋の昆布屋「小倉屋」さんもそのうちの1つで、創業は嘉永元年(1848年)。160余年の永きにわたって暖簾を守り続ける老舗ですが、その名物が「扇翁」(税込525円)です。北海道道南地方・尾札部浜産の天然真昆布を使った手がき太白おぼろ昆布で、口に入れたとたんに、ふんわりと溶けるほどに薄く、ほのかな甘みと香りが広がっていきます。これは小倉屋の職人・三田智則氏の手によるもので、三田氏は「堺市ものづくりマイスター」「大阪府技能顕功章」「現代の名工」「黄綬褒章」の表彰を受けるなど、昆布手漉き加工技術の第一人者として知られています。まるで雪のような極上のおぼろ昆布で、ガイドも始めて食したときは昆布に対する既成概念が覆されました。なんら大げさではなく大阪が世界に誇る「ほんまもんの食文化」がここにはあります。その超絶技巧の昆布の味に大いに唸ってください。
※購入場所:大阪国際空港ターミナルビル内「お土産処いっぴん堂」