自転車博物館近く!日本最大の古墳「大仙陵古墳」
じつは自転車博物館は大仙公園という都市公園内にあるのですが、この大仙公園に隣接しているのが、日本最大の古墳・大仙陵古墳です。墳長およそ486メートル、古墳の陵域は濠を含めて47万平方メートル…甲子園球場が12個も造れる広さで、エジプト・ギザのクフ王のピラミッドや中国・秦の始皇帝廟と並んで「世界三大墳墓」の一つに数えられます。
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大仙陵古墳です。あまりの巨大さに地上から見てもその全容は伺い知れませんが、静謐な空間で不思議な趣きが漂っています。 |
とあるゼネコン会社の試算では、これだけの規模の古墳を造るには、毎日2000名の人々が15年以上働いて、796億円ほどの費用がかかるという結果も出ているそうですが、なにも知らない人が見たら、どっからどうみても「ただの山」にしか見えません。これが「約1500年以上前に作られた人工物である」と聞かされると大いに驚かされるでしょう。2008年9月には、大阪・堺が世界に誇る文化遺産として、大仙陵古墳を含む百舌鳥古墳群(堺市)、古市古墳群(羽曳野市、藤井寺市)がユネスコの世界遺産の国内暫定リストに追加されました。
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大仙陵古墳のお堀です。堀の内側は鬱蒼としげった森のようになっていて、野鳥の宝庫になっています。 |
実際に世界遺産に登録されるかどうかは現在の段階では不明ですが、じつは「こうした巨大古墳の造営技術が、堺の自転車産業にもつながっている」といわれています。巨大古墳を作るには、優れた鉄の加工技術が必要だったため、多くの鍛冶職人が堺に住むようになり、東大寺大仏や鎌倉大仏を作った河内鋳物師(かわちいもじ)、中世の戦国時代の鉄砲、江戸時代の包丁などを経て、近代の自転車産業へと結びついたというわけです。実際にいま現在でも国産自転車の約4割が堺で作られています。
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自転車博物館に展示されていた江戸時代の堺で作られた鉄砲です。確かに鉄砲と自転車は鉄の製品で、堺のものづくりの変遷が伺い知れます。 |
「古墳」「大仏」「鉄砲」「包丁」「自転車」と一見すると、まるで脈略がないように見えますが、じつは1600年以上にも及ぶ「ものづくりの町・堺」の伝統が生かされているというわけです。せっかく自転車博物館サイクルセンターまで来たのですから、その「ものづくりの原点」として、大仙陵古墳にも訪れてみましょう。ちなみに自転車博物館サイクルセンターはもちろん、大仙公園の観光案内所では堺市が運営・管理しているレンタサイクル貸出所があります。利用料金は1日300円と非常にリーズナブルなもので、堺市内を観光するさいには非常に便利です。詳しくはこちらの
公式サイトをごらんください。自転車に乗って「ものづくりのまち・堺」を大いに楽しみましょう!
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■自転車博物館サイクルセンター
○所在地:堺市堺区大仙中町18-2
○開館時間:午前10:00~午後4:30(入館は午後4:00まで)
○閉館日:月曜日(祝日、振休は開館)・祝祭日、振休の翌日・年末年始
○入館料:大人…300円(団体240円)
中高生…200円(団体160円)
3歳~小学生・65歳以上の方…100円(団体80円)
※団体料金は20人以上です。
○お問い合せ:072-243-3196
○アクセス:JR阪和線「もず(百舌鳥)」駅より歩いて10分
南海高野線「堺東」駅より南海バスに乗り換え
田園線(3番乗り場・深井駅行)「大仙町」下車、歩いて3分
○地図:
Yahoo!地図情報○HP:
堺 自転車博物館 サイクルセンター