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「大阪三大夏祭り」に行こう!(前編)(2ページ目)

「夏といえば祭!」というわけで「大阪三大夏祭り」を全2回にわけてご紹介します。今回は愛嬌たっぷりの浴衣まつり「愛染祭」と、勇壮な枕太鼓が見物の生國魂神社の「いくたま夏祭り」。とくとご覧下さい!

執筆者:陸奥 賢

これぞ祭りの華!勇猛果敢な枕太鼓「いくたま夏祭り」

「夏越の祓い」といえば「茅の輪くぐり」。いくたまさんの茅の輪は超巨大で、大阪府下でも最大級の規模を誇ります。
愛染堂の愛染祭は華やかで素晴らしい祭ですが、珍しい「仏教寺院による祭事」ですので、人によっては大阪三大夏祭りにカウントしない人もいます。そこでよく愛染祭に替わって名前が挙がるのが、いくたま夏祭り。生國魂神社(大阪市天王寺区生玉町13-9)にて毎年7月11日、12日に行われる夏祭りです。

生國魂神社は「生國魂造」という他に類を見ない神社建築様式になっています。こういう部分にも「難波大社」の風格を感じます。
生國魂神社は、神武天皇が九州から東征して、難波津の石山崎(現在の大阪城付近。当時は大阪城まで大阪湾が進出していました)に着いたさいに、生島神・足島神を祀ったのがはじまりと伝えられています。神武天皇といえば初代天皇のことですから、なんと記紀神話の時代から存在していたことになります。

獅子舞です。独特の足裁きで、大勢の子供たちを従えて、氏子地区を練り歩きます。
じつに歴史と格式のある神社ですが、1585年(天正13年)に太閤・豊臣秀吉が大阪城を築くさいに現在地に遷座しました。いまでも尊称して「難波大社」と呼ばれることもあるのですが、地元の大阪人のあいだでは「いくたまさん」という愛称で知られていて、篤く信奉されています。

そんな生國魂神社の夏祭りですが、メインは7月12日に行われる、旧社地の大阪城への「お渡り」です。獅子舞や神輿などが出て、じつに賑々しく、大阪の夏の風物詩となっていますが、昭和初期の最盛期には1000人を超す大行列だったそうで、「陸の生玉、川の天神」と日本三大祭の天神祭と並び称されたとか。

また、いくたま夏祭りでとくにオススメしたいのが、7月11日宵宮、7月12日本宮の夜8時ごろから境内にて開催される「お練り」。

枕太鼓のお練りです。これを見るのを楽しみにして、毎年大勢の参拝客で境内は溢れかえります。
とくに「枕太鼓」のお練りが見物で、この枕太鼓というのは、山車(だし)の中に太鼓が積まれていて、太鼓を叩く人(願人といいます)の「背もたれ」が大きな枕に似ていることからこのように呼ばれています。お練りでは、生國魂神社の境内を所狭しと猛スピードで曳き回し、ときには左右に揺さぶって、ときには勢いよく横倒し(!)にされたりします。

願人の太鼓を合図に、シーソーのように枕太鼓を斜めに倒してグルグルと回ります。その大迫力をぜひ現場で体験してください!
こうして七転八倒する枕太鼓ですが、願人は振り落とされないように綱をもって体勢を維持して、一定のリズムで太鼓を叩き続けます。その勇猛果敢さは、まさに祭りの華。参拝客もその見事さには拍手喝采です。

大阪の山車祭というと「だんじり」や「ふとん太鼓」などがつとに有名ですが、いくたま夏祭りの枕太鼓も、負けず劣らずの大迫力で感動します。ぜひ一度は生のライブで、枕太鼓のお練りをご鑑賞ください。夏の暑さも吹っ飛びますよ!

<DATA>
■生國魂神社 いくたま夏祭
○日時:7月11日~7月12日
○住所:大阪市天王寺区生玉町13-9
○アクセス:大阪市営地下鉄「谷町九丁目駅」から徒歩約5分
○地図:Yahoo!地図情報
※ガイド記事は過去のデータを参考に作成してあります。2008年度のイベント内容につきましては、諸事情等で変更になる場合がありますので、予めご了承ください。

次回は「天神祭」「住吉祭」をご紹介!請う、ご期待!

さて、「大阪三大夏祭りに行こう!」の前編ということで「愛染まつり」と「いくたま夏祭り」をご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか? 愛嬌たっぷりの愛染娘さんと、大迫力の枕太鼓のお練り。こうして見てもじつにバラエティ豊かな大阪の夏祭りですが、次回は後編として「天神祭」「住吉夏祭」をご紹介します。請う、ご期待ください!

※「大阪三大夏祭りに行こう!(後編)」はこちら!
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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