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「大阪三大夏祭り」に行こう!(後編)

前回のガイド記事「大阪三大夏祭りに行こう!」の後編です。今回は日本三大祭の「天神祭」の陸渡御と船渡御、風雅な夏越祓神事と勇ましい神輿渡御が見物の住吉祭をご紹介します。熱い大阪の夏を堪能してください!

執筆者:陸奥 賢

「大阪三大夏祭り」に行こう!(後編)

大阪天満宮です。陸渡御の直前で騒然としています。
前回のガイド記事「大阪三大夏祭りに行こう!(前編)」の後編です。今回は東京の神田祭・山王祭、京都の祇園祭と並び称される日本三大祭の大阪天満宮の「天神祭」と、大阪の夏祭りの最後、「締めの祭り」と呼ばれる住吉大社の住吉祭の見所をダイジェストでご紹介しましょう。それではさっそく記事をどうぞ。

1000年以上続く、大阪最大の夏祭り「天神祭」

猿田彦(天狗)です。「おわたり」の先導役を務めます。
日本全国に天満宮や天神社があって、各地で天神祭が行われていますが、大阪天満宮の天神祭は、天暦5年(951年)に天満宮近くの大川から神鉾を流して、流れ着いた場所に祭場を設けて、禊(みそぎ)を行ったことが祭のはじまりです。1000年以上の歴史を誇り、例年約130万人ほどが見物に訪れるという大阪府下最大の夏祭り(ちなみに大阪市の人口は約265万人です)です。

陸渡御に奉仕する講員の皆さん。3000名の大行列ですから順番を待つのも大変です。
京都の祇園祭が一ヶ月ほど続くように、天神祭も本来は6月下旬の装束賜式(天神祭神事始め)から始まって約一ヶ月間に及ぶ大祭なのですが、世間一般的には7月25日本宮の「陸渡御」(16:00~)と「船渡御」(18:00~)が知られています。

天神祭の花形「太鼓中」です。大太鼓は太閤・豊臣秀吉公から拝領されたと伝えられています。
陸渡御は大阪天満宮から大川の乗船場まで、約4キロを「おわたり」するというものです。総勢で約3000名以上が参加するという大行列で、太閤秀吉が奉納したという催太鼓(もよおしだいこ)から始まり、猿田彦(天狗)、神鉾、地車(だんじり)、獅子舞、傘踊り、稚児行列、采女(うねめ)、御鳳輦(菅原道真公の御神霊を乗せた神輿)、鳳神輿、玉神輿……などと続きます。

だんじりです。安永9年(1780年)には84台ものだんじりが宮入したという記録もありますが、大塩平八郎の乱や度重なる戦災でほとんどを消失。現在ではこの1台のみの宮入です。
そのルートは天満宮表門(南門)を出て老松通りを西に向かって御堂筋へ。御堂筋を南に下って大阪市役所で東に曲がり、中之島図書館~中央公会堂~東洋陶磁美術館~難波橋~難波橋北詰~菅原町と進んで、天神橋北詰まで。天神橋北詰すぐには大川の乗船場があって、一団は次々と船に乗り込みます。

鳳神輿の差し上げの瞬間です。見事な差しには沿道の観客も拍手喝采です。
とくにガイドのオススメの見学ポイントとしては中之島の中央公会堂前でしょうか。大阪が誇る近代建築物・中央公会堂(国指定重要文化財)の前で、担ぎ上げられる鳳神輿、玉神輿は、1000年の時代を超えて、じつに美しい光景です。

大阪・中之島のシンボル中央公会堂の前で対峙する鳳神輿と玉神輿。不思議と近代建築物と神輿が妙に合います。
また浪速三大橋(天満橋、天神橋、難波橋)のひとつ「難波橋」(別名ライオン橋)を渡る陸渡御の光景も見物です。江戸は八百八町、京都は八百八寺、大阪は八百八橋で、「橋」は大阪名物。「橋と祭りのマッチング」というのも、実に大阪らしい光景です。このあたりは観客も少ないほうですので、穴場の見学ポイントでもあります。

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