ドイツ/ドイツのグルメ・ビール・レストラン

ドイツ全国の飲食店で禁煙法実施へ

2008年1月1日、ドイツの大半の州で禁煙法が施行されました! これにより飲食店でのタバコは不可に。今年中には全ての州で禁煙法が実施される予定です。ここでは禁煙法の内容と各方面の反応をまとめました。

執筆者:カルカ 麻美

ドイツでは2007年8月1日、一部の州で初めて禁煙法が施行されました(参考:ガイド記事「喫煙天国ドイツ、遂に3つの州で禁煙法施行」)。そして年が明けた2008年1月1日より、さらに8つの州で禁煙法がスタート。これで16ある州のうち11州の飲食店で、自由にタバコが吸えない状況となりました。この禁煙法は、今年中には全ての州で実施される予定です。

ドイツにおける成人の喫煙率

まず始めにドイツの喫煙率を見てみましょう。ドイツ政府の統計によると、ドイツの全成人(18歳以上)のうち喫煙者は33%(2006年現在)。この数字は年々減少傾向にあります。最大の理由はタバコ税の値上げ。現在は1箱(18本入)4ユーロ(約650円※)と、日本と比べてもかなり高い値段が設定されています。今回実施された禁煙法によって、喫煙率はさらに下がっていくかもしれません。

※1ユーロ=約162円(2008年1月現在)


飲食店での禁煙法

ドイツのタバコ自販機
ドイツのタバコ自販機。禁煙法施行を機に、喫煙者の数も減っていくでしょうか……?
ドイツではこれまで禁煙席を設けている飲食店は少なく、喫煙者はほぼどこでもタバコを吸える状態でしたが、この状況が一気に変わりつつあります。

今年中に全ての州で実施される禁煙法は、飲食店での喫煙を基本的に禁止。ほとんどの州では例外として個別の喫煙室を設けることが許可されていますが、この喫煙室は主要フロアとは完全に仕切られてなくてはなりません。閉め切った狭い個室でタバコを吸うことには、強い抵抗感がある喫煙者も多いのが現状です。

この禁煙法に違反してタバコを吸った場合は罰金が徴収され、その金額は州によってかなり幅があります。禁煙法がスタートしたばかりの州では、最初のうちは大目に見て実際に罰金を課すことはあまりないようですが、徐々に厳しくしていくとのこと。旅行者のみなさんも旅先で罰金を取られてしまった……なんてことがないよう、お気をつけくださいね。


喫煙者や飲食店の反応

ドイツのレストラン
これからはレストランやカフェでは、自由にタバコは吸えません
この禁煙法に対して猛烈に反発している喫煙者はもちろんたくさんいます。けれど割と冷静に受け止めている喫煙者も意外といるようで、反応は極端に分かれている印象を受けます。

メディアでは、喫煙者よりも飲食店側が禁煙法に反対している様子がよく取り上げられています。全面禁煙にしたら客が極端に減る=店がつぶれる、個別の喫煙室を設置する金銭的余裕がない、というのが主な理由。禁煙法の緩和を求める署名運動を行う経営者グループも多いようです。

ですが、年が明けて実際に禁煙法が施行されると、思っていたほど状況は悪くない、むしろ今までより売り上げが上がった、というケースも少なくないよう。禁煙になったことにより子供連れで来店する人が増えた、これまでタバコの煙が苦手でカフェから遠のいていた人たちが、喜んで来店するようになったなど、この禁煙法は経営者にとって悪いことばかりではなさそうです。

さてこの禁煙法、ドイツではそれぞれの州が自治権を持っているため、施行時期も内容も州により大きく異なります。次のページでは、各州の禁煙法についてまとめました。最も気になるのは、オクトーバーフェストでタバコは吸えるのか?!ということでしょうか?
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