夫婦間でのNGワード
<目次>
夫婦間でのNGワードとは?コミュニケーションの重要性
「海外ではどんな相手とも主張しあい、話し合うのが常識」
この背景にも、先にあげた「心が通じ合っている2人には言葉は要らない」「言わなくてもわかる」という考え方があります。
狭い島国に同じ言葉や文化、同じ民族で集まって暮らしていたという歴史的な背景もあり、「他者とは分かり合えるもの」という、楽天的な視点から生まれた考え方だと思います。ところが一歩外国に出ればこの理論は通用しません。
「言わなきゃわからない」「自己主張しない人間はダメだ」と全く逆の価値観にぶつかることは、皆さんもご経験があるでしょう。
異なる言語や文化、民族を抱える背景を持つ国ほど、「自分と他人は元々違うもの、言わないでなぜ分かり合えるの?」という価値観があり、特に言葉でのコミュニケーションを大事にします。
価値観も多様化し、たくさんの情報が溢れかえる現代ニッポンにおいても、かつてないほど、言葉によるコミュニケーションの重要性がいろいろな場面で認識されつつあります。
おたくの夫婦間の言葉はどうですか?
「あなたのことばがパートナーを傷つけてはいませんか?」
自分の思ったこと、したいことをずけずけ言うだけでは、周りの人に受け入れてもらえません。
もちろん、会社や学校など家の外では無神経な言い方をすることは少なく、周囲の状況をみながら、慎重に言葉を選んで発言する方がほとんどでしょう。
でもそんな方でも無防備になるのがご家庭の中。
相手は夫婦だと言う安心感、愛し合っているんだからこれぐらい言ってもいいだろうという甘えから、ついついむき出しの言葉を、相手への配慮無しに吐き出してしまいがちです。
でも、逆に言えば夫婦こそ社会の最小単位。他人同士が一緒に生活をしている場です。
だからこそ、相手への思いやりをもち、努力することなしには、良い関係を築くことができません。
妻にかける、夫に伝える言葉だからこそ、吟味して、工夫して伝えるという気配りが必要なのです。
日常でうっかり発している言葉が、知らないうちにパートナーに刺さっていたりしませんか?
そしてそれが夫婦仲を蝕む傷になっていませんか?
次からはひとつひとつの場面で夫婦の言葉を検証してみましょう。
夫婦の危険な会話例 その1<リビング編>
「お互いの心無い言葉が、夫婦関係を少しずつ蝕んでいきます」
夫「ただいま~」
妻「遅かったわね。何で遅くなるなら電話してくれないの?」
夫「はい、今月の給与明細」
妻「来月は支出が多いのよね。もうギリギリ。やりくりが大変だわ」
妻「お夕食、温めたから、さめないうちに食べてよね」
夫「こんな時間にたくさん食うと太るんだよな。」
妻「明日、あなたのお誕生日だから何かつくらなきゃね。」
夫「別に何でもいいよ。作るの面倒だろ」
夫「最近、胃がいたむんだ」
妻「単に、飲みすぎじゃないの?」
妻「今日、子どもの学校でね・・・…」
夫「今、新聞読んでるから」
夫「明日、仕事が入った」
妻「えー!2ヶ月前から約束してたのに。何で予定があるって上司にいえないの?チケット代返してよ。いつも私が被害者なんだから」
いかがでしょう?皆様のお宅で普段交わされている会話と似ている、という方はいらっしゃいませんか?
実はこれはNGワード集です。
「これのどこがNGなの?」
と思われた方は要注意。
NGワードをNGと感じなくなってしまっている可能性が大ですから、このままでは夫婦仲に亀裂が入りかねません。
どの会話も、あと一言付け加えたり、言い方をちょっと変えるだけで、夫婦仲がぐっとよくなるのです。
ではどうすれば良いのか、次の項で具体的にみてみましょう。
夫婦円満を作る会話例 その1<リビング編>
「思いやりのある言葉があれば、心の距離はぐっと縮まります」
妻「お疲れ様。今日も残業だったの?大変だったわね。遅かったから事故でもあったかと思って心配しちゃった。今度はできたらメールでもくれると嬉しいわ。」
夫「はい、今月の給与明細」
妻「お疲れ様です。今月もありがとうございました。来月は支出が多いから、私もやりくりを頑張らなくちゃ」
妻「お夕食、温めたから、さめないうちにどうぞ」
夫「ありがとう。すごく旨そうだけどこんな時間だから、全部食ったらもたれそうだな。悪いけどサラダだけもらおうかな。ほかは残っても大丈夫?」
妻「明日、あなたのお誕生日だから美味しいものを作るわね。何か食べたいものはない?」
夫「覚えててくれたの?嬉しいなぁ。ありがとう。何でもいいよ。君の作るものは何でも旨いから」
夫「最近、胃がいたむんだ」
妻「大丈夫?お仕事でストレスがたまっているのかもね。何かお薬飲む?」
妻「今、ちょっと話を聞いてもらってもいい?今日、子どもの学校でね・・・…」
夫「ごめん、今、新聞読んでるから10分待ってもらってもいいかな。ちゃんと話を聞きたから。」
夫「約束していたのに、申し訳ないんだけど、明日、どうしても断れない仕事が入っちゃったんだ。楽しみにしていたのにごめん。」
妻「えーそうなんだ!あなたも楽しみにしていたのに残念ね。でも仕事なら仕方ないわ。また次の機会にしましょう。明日のチケットはどうしましょうか?誰か行けそうな方に譲ってあげる?」
いかがでしたか?
ほんのちょっと感謝の言葉や謝罪の言葉を添える、相手への褒め言葉や気遣いを見せる、相手への要望や強制でなく、自分の希望として述べてみる。
こんなことを気をつけるだけで、ぐんと素敵な会話になると思いませんか?
夫婦の危険な会話例 その2<寝室編>
「寝室では普段以上に気をつけて言葉を選ぶことが大切」
妻「疲れてるからダメ」
妻「ねぇ、今晩どう?」
夫「またぁ?そんなにセックスしたいのかよ。欲求不満なんじゃない?」
夫「お前、子ども産んでからゆるくなったんじゃない?」
妻「え、起たないの?元気ないのね。」
夫「イかないんだね。不感症?」
妻「もうイっちゃったの?」
夫「おやすみ・・・」
妻「終わったらさっさと寝ないで、腕枕ぐらいしてよ。」
いかがでしょう?
甘~いはずの夫婦の寝室の会話が、なんだか殺伐としていませんか?
もちろん、一組の夫婦がこれを全部言ったというわけではありませんが、どれも実際に私の主宰する恋人・夫婦仲相談所によせられたご相談から拾ったものです。
セックスに関する話題は日常会話よりもっとデリケート。
相手への思いやりがとても大切です。ではどうすれば良いのか、次の項で具体的にみてみましょう。
夫婦円満を作る会話例 その2<寝室編>
夫「今晩、君を寝不足にしてもいい?」妻「ごめんなさい。今日は、子どものサッカーの試合の付き添いでくたくたなの。明日、今日の分もいっぱい愛し合わない?」
妻「ねぇ、今晩どう?」
夫「ごめん。明日は始発で行かなきゃいけないから、今日は眠りたいんだ。でも僕のことを愛してくれてるってわかってうれしいよ。ありがとう。」
夫「きゅっと締め付けられると気持ちいいんだ。今度やってみてくれると嬉しいな」
妻「うん、なにごとも挑戦ね。キュッキュッね。」
夫「どうやったらもっと気持ちよくなれるか、恥ずかしがらないで教えて」
妻「あなたがいっぱい感じてくれると嬉しいわ。あなたも声を出して」
夫「おやすみ・・・」
妻「あなたの肌に触れてると安心できるから、もうちょっとくっついててもいい?」
いかがでしょう?
相手への思いやりや感謝を交えるだけで、セックスを断りたいとき、うまく行かなかった時など気まずくなりがちな場面の雰囲気を和らげることができます。
また「○○して」ではなく
「○○してくれると嬉しい」と上手に希望を述べたり、
「気持ちよかった」
「素敵だった」
と相手を褒めることでお互いが満たされた気持ちになれると思います。
たかが言葉一つ、でも言葉一つでその人の気持ちをうまく表現し、相手の気持ちを変えることができます。
ぜひ今日から、会話のないご家庭は「以心伝心」をやめ、トゲトゲ言葉の飛び交うご家庭はやわらかい言葉にかえて、お互いの気持ちを丁寧に伝え合える素敵なご夫婦になってくださいね。
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