会社にいるより家にいる方が心地いい!?

家族との平凡な時間が大切という意識の変化

家族との平凡な時間が大切という意識に変わってきました

泳いでも泳いでも押し戻される逆流の中を進むようなアゲインストな経済状況が続く昨今。同じ時間を仕事に投資しても、高度成長期やバブル時代に比べれば、見返りは小さい。それどころか、働けど働けど、ボーナスはカットされ、年収は下がっていく傾向にあります。

世の中の価値観も変化しました。お金がすべて的価値観は影をひそめ、家族の幸せの軸は精神的な豊かさへとシフトしました。世界のセレブたちも豪華な屋敷や派手な衣装を見せびらかすよりも、家族との平凡な時間の大切さを語ることをステイタスにするようになりました。

がむしゃらに「時間を仕事に投資する」だけではもはや家族をハッピーにできない時代。一方で、少しでも時間を家族に投資すれば、家族が笑顔になってくれる確率は高い。そう気づいた人たちが家庭回帰を始めたのがイクメンブームだったりしたわけです。

夫婦の時間は意志を持って確保する

ただし、どんなに家事をがんばって、子育てにいそしんでも、夫婦の気持ちがすれ違っていたらお互いに窮屈です。夫婦が窮屈に感じていれば、子供だって窮屈に感じるはずです。

窮屈な家庭にいくら時間を投資してもリターンは目減りします。家で時間を過ごしても「いい気」がしないのです。だから「こんなにやってるのに!」とお互いが思うようになってしまうのです。

単なる情報共有なら朝の出勤前や寝る前の5分、10分ですみますが、お互いに感謝、不満を伝えようと思ったら子供のいないところで、夫婦二人でしっかりと向き合う必要があります。

あうんの呼吸でお互いの時間を合わせられる夫婦はいいでしょう。でも、すれ違いが続き、一度そういう時間がなくなってしまうと、自然につくり出すことはますます難しくなります。

そんなときには思い切って「金曜日の夜は子供たちが寝てから二人で飲もうよ」などと明確にスケジュールを押さえる必要があります。

「何言ってるの?」などと怪訝な顔をされるかもしれませんが、そこでひるんではいけません。「このところちゃんと話してなかったじゃん。このままじゃいけないと思うんだ」と素直に伝えましょう。

慣れるまでは他愛もない話で30分もてばいい。テレビでも見ながら、なんとなく二人だけの時間が過ぎていくのでもいい。慣れてきたら、普段伝えられない感謝の言葉を伝えましょう。

そして、信頼関係が再確認できてきたら、不満も少しずつ伝えます。喧嘩になるかもしれませんが喧嘩の目的はその先にある相互理解だということを先に共有しておけば怖くありません。

いくつかの喧嘩を乗り越えたのちには、「打てば響く」ような時間投資価値の高い家庭になっているはずです。つまり「もっと家にいたくなる」ムードができます。

妻の一人時間と父子時間同時進行で一石二鳥

以下、夫は仕事に追われ、妻が子育ての大半を担当していることを前提とした話です。

24時間話の通じない相手とマンツーマンしていなければいけないストレスに長時間さらされると、妻の体に妖怪イクジヅカレが取り憑いてしまいます。

イクジヅカレは、「八つ当たり」か「ふさぎ込み」という2種類の方法で家庭の雰囲気をぶちこわします。時間の投資効果なんてあったものではありません。

「手伝おうか」と言えば「手伝うって言い方は何よ!」と揚げ足をとられ、「大丈夫だよ。がんばろう」と励ませば、「何が大丈夫なのよ!これ以上何をがんばれっていうのよ!」って泣かれてしまう……。

イクジヅカレを寄せ付けないためには、日ごろの夫の協力だけでなく、妻自身が自分でリフレッシュすることも必要です。

妻の時間をつくるには2通りあります。

1つは家で子供と父親が留守番する方法。そのとき忘れてはならないポイントがあります。妻が帰ってくるまでに、家の中を元の状態よりもきれいにしておくことです。

もう1つの方法は、父親が子供を連れて出かける方法。1~2時間ではしょうがないので、少なくとも半日はがんばりたい。二人だけの秘密なんてつくれれば、子供にとっても思い出になります。

さらに「あぁ、君は毎日こんな大変なことをしているんだね。よくわかったよ」という一言を添えれば、妻一人の時間への投資効果は計り知れないほど増大します。

ちなみに、あるベテランパパが「妻の誕生日に一人の時間をプレゼントして喜ばれた」と話したところ、新米パパから「僕なら、誕生日には一緒にいたいっていわれたいですけどね」と突っ込みが入り、周囲は大爆笑。その観点も忘れてはいけないですよね。

できれば家族への影響の少ない時間を利用して

そうはいっても、夫にも一人の時間も大切です。

「自分の時間は後回し」などと我慢をためこむと「自分がこんな我慢しているのに!」と妻や子供にも我慢を求めるようになり、結局お互いに首を絞め合う状態になってしまいます。我慢は禁物ということです。

父親だって、自分自身のメンテナンスが必要。会社では素敵な上司、有能な部下の役に徹し、家庭ではかっこいい父親、良き夫を演じていては疲れてしまうわけです。

できれば、家族が寝静まった深夜や、家族が起きる前の早朝など、家族の時間をできるだけ犠牲にしない時間を利用して、ほんの少しでも自分だけの時間がつくれると、そのリターンは父親本人だけでなく、家族みんなにも広がります。

一人の時間には、読書をするもよし、趣味に興じるもよし、ただボーッとするのでもいい。大事なのは、その時間が終わったときに「自分が少しでもリフレッシュできているか」、「考えたかったことの整理はできたか」などと、一人の時間を使ってどんなリターンを得たかを自分自身で自覚することです。

リターンの自覚がなければ、せっかくの一人の時間もただ漠然と過ぎる投資効果の低い時間となってしまいます。

一方、家族と過ごすことがいちばんの癒しだと感じる父親も多いことでしょう。しかしその場合、家族にどっぷりつかりすぎて、自分の存在意義を家族だけに依存していないか、自分は一人の男として自立しているかをときどき確認する必要もあります。

一人の男として自立していない男は、妻からはそのうち見限られ、子供からは尊敬されなくなります。一人の時間はそんなことを振り返る意味でも重要なのです。

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