ピル(オーシー)についてどのくらい知っていますか?
ピル(オーシー)には卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモンの2種類の女性ホルモンが含まれています。エストロゲンは排卵をうながすホルモンで、女性らしい丸みを帯びた体や美肌をつかさどる、いわば女性の美しさを作りだすホルモン。
思春期から分泌が増え始めますが、年齢とともに分泌が減少していきます。
40代後半のいわゆる更年期症状はこのエストロゲンの減少が原因といわれています。
また、黄体ホルモンはプロゲステロンともいい、子宮の内膜に働きかけて、子宮内膜の厚さや子宮筋の働きを調整し、受精、妊娠の準備をするホルモンです。低用量ピル(オーシー)といわれるものは、このうちの卵胞ホルモンの含有量が50μg以下のものを指します。
「ピル(オーシー)の開発は人工妊娠中絶を減らしたいという願いから」(写真はイメージです) |
ピル(オーシー)は日本では1999年9月に発売となり、現在の国内の服用者数は、製薬会社7社でつくるOC情報センター(OCIC)によれば約50万人と推測されるそうです。
今では世界中で1億人以上が服用しているといわれるピル(オーシー)。
その発祥は1950年代のアメリカに遡ります。
当時頻繁に行われていた人工妊娠中絶を減らしたいと考えた女性運動家が女性主体で確実にできる避妊法はないだろうか、という発想で研究者とともに検討を重ね、「妊娠中に排卵が起こらないのは、その期間に分泌される黄体ホルモンの効果だ」ということから、体内のホルモンの量を調整することで避妊につなげる、という方法を編み出しました。
開発された当初は黄体ホルモンの量がかなり多かったため、様々な副作用も見られましたが、その後、黄体ホルモンの量を減らしつつ効果の高いものへと改善が重ねられ、現在のピル(オーシー)へと進化してきました。
効果としては元々期待されていた避妊のほかに、女性ホルモンの量を調節することにより、前述したような月経困難症の治療など、女性の体のさまざまなトラブルの改善にも利用されています。
→次ページは既婚者も気になる避妊とピル(オーシー)の関係です。
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