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彼氏や旦那のEDに気づいた時、妻は果たして

彼氏や旦那のED(勃起不全)による気まずい寝室事情、最初の一歩が踏み出しにくいものです。今回はそねクリニック曽根先生にED治療最前線をうかがいました。別れないためにも、デリケートな部分をふまえた上で、男性と話し合いの場を設けることが必要です。

三松 真由美

執筆者:三松 真由美

夫婦関係ガイド

成人男性の1130万人がED、決して彼氏や旦那とは無縁の話ではない

彼氏や旦那のEDは起こりうる

彼氏や旦那のEDは起こりうる

「ED 」という言葉を耳にされた方は多いと思います。「ED」は何の略かご存じですか?
正式には、Erectile Dysfunction。勃起不全のことです。
勃起機能の低下ということで、我が国では成人男性の1130万人がEDであると予測されています。

私の運営する夫婦仲相談所で一番多いお悩みは「セックスレス」ですが、その原因は様々です。
奥様に魅力がなくなったとか、子どもができたら営みのチャンスがなくなったとか、理由をあげると何項目にもなります。
その中で、私が気づいた「セックスレスの原因」のひとつにEDがあります。

「夫とは仲良くて、スキンシップはあるのですが、どうもうまくいきません」
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「曽根先生は患者さんの声にしっかり耳をかたむけてくださいます」


という相談をされる主婦の方々にうかがってみると、パートナーが身体的に問題があるということがわかりました。SEX の途中で勃起持続がむずかしくなる、射精までいたらないという状態です。
一度このシーンを経験すると、夫側は自信がなくなり、夜の生活を避けるようになります。
妻側は、気を遣いすぎて、ギクシャクした対応になります。寝室問題を話題にすることも遠慮し始めます。

このすれ違い状態が一ヶ月、二ヶ月・・・そして一年経ちましたというご夫婦は決して少なくありません。
しかし、夫側も妻側も「SEXがないまま一生過ごしてもいい」とは思っていません。得に二十代の若いご夫婦の場合、深刻さも増します。

EDによる気まずい寝室事情、改善はしたいけれど、最初の一歩が踏み出しにくいのです。
   

男性のED(勃起不全)は妻にとっても悲しい疾患

EDという病気は、妻にとっても深刻な問題です。

子どもが欲しいという理由だけでなく、「妻として夫の腕に抱かれたい」という愛情表現のひとつが、EDによって機会が少なくなる、あるいは、まったくなくなるのです。
夫婦間のコミュニケーションを妨げるやっかいな問題です。


女性は、男性とちがって、「SEX=挿入・射精」というイメージは少ないと思います。ベッドの中で抱き合って過ごすひととき、さりげないスキンシップ、やさしいくちづけだけで愛情を感じ取ります。
しかしEDによって、男性側がそのひとときすら敬遠する傾向が問題です。

「キスやスキンシップの先を期待されたら困るから最初からしない方がいい」
という告白も聞きました。男性側の叫びもよくわかります。

妻も夫もよく話し合い、理解し合えてこそEDの治療に踏み込めます。

今回は、メタボリックシンドロームとED治療に力をいれておられる「そねクリニック」の曽根院長先生にお話をうかがいました。
私たちの知らない、ED治療の現状、デリケートな男心をわかりやすく説明してくださいました。
 

心も身体もデリケートな男性を理解しましょう

ガイド(二松):
私が主宰している「夫婦仲相談所」に、最近若いご夫婦から「セックスレス」や「ED」のご相談が増えているのですが、曽根先生のところにはどんな状態の方が多く来院されていますか。
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「男性の方が女性よりデリケートなんですね・・」


曽根先生:
年齢によって受診する方のプロフィールが異なっています。20代の人は、最初に失敗するとトラウマになったり、パートナーとの性の不一致でEDになるケースが多く、30代ではお子さんを希望しながら決まった日にプレッシャーでEDになる例がよくみられます。40代では社会的にも家庭的にも重要な役割を担うので、精神的なストレスが原因でEDになる場合が多く、50代になると、年齢的な衰えや生活習慣病の影響を克服しようとEDの相談に来られます。
 男性の性欲は、攻撃的なところで成り立つもので、アドレナリンや交感神経、副交感神経の微妙な働きがあり、勃起して射精します。そのためには、統合されたまとまりある気持ちが不可欠なのです。その意味で男性は女性よりデリケートといえるかもしれません。ですから、男性ならだれでもEDになる可能性があると思います。

ガイド(二松):
なるほど。そのデリケートな部分は女性が十分理解しなければいけませんね。ただ、一方では、セックスレスやEDのご主人をもった奥様たちは、悩んだり悲観的になったりしていますから、女性にとっても切実な問題なんです。「だんな様の寝顔を見て、涙が出て止まらない」と言う辛い報告も多数寄せられます。

曽根先生:
そうですね。お互いに相手を思いやりながら、二人で解決していく問題でしょう。当院にも、カップルで相談に来られる方が、最近増えてきました。特に子どもがほしい30代後半のカップルが多いですよ。
 

問診中心の簡単な診察で治療薬を院内処方

ガイド(二松):
患者さんは病院へ行くのが恥ずかしいという気持ちと、どんな診察をされるのか不安という気持ちが混ざり合っていると思いますが、実際はどのような診察をされるのでしょうか。

曽根先生:
受付に「本日はどうなさいましたか」という用紙があり、「風邪、薬、ED治療」とあるので、名前も言わずに無言で指し示すだけでいいようになっています。視診や触診もなく、問診だけで薬をお渡ししています。名前も仮名で結構ですし、住所などは書かなくても構いません。たいていのED専門クリニックは、このような配慮が行き届いていて、個人情報を書く必要もないので、勇気を出して門をくぐってほしいです。
 

EDを克服すると仕事や生活にもやる気が出る

ガイド(二松):
治療の効果があって、元気になったという患者さんの声は聞かれますか?
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「いつまでも愛し合える二人でいたい・・」photo by 藤巻亮平


曽根先生:
ある程度、年を重ねたほうが実感しやすいようです。生まれて初めて自分も奥様も人生の楽しみや喜びを知ったという方もいます。自分が満足することも大切ですが、「満足させたい」というのは、男性の本能だと思います。その気持ちが6~7割を占めます。もし、自分のためだけに使うなら、薬は必要ないでしょう。

ガイド(二松):
妻のことをかわいそうと気づいた瞬間が、すごく素敵だと思います。でも、その気持ちを行動に移して治すかどうかで、奥さんは天国と地獄ですね。ほかにED治療薬で男性の自信が回復し、パートナーとうまくいった事例はありますか。


曽根先生:
ご本人の性格が陽気になったという例はあります。パートナーとの日常会話も増え、2人の関係がより深くなったと言われているので、ED治療薬が生活に彩りを与える助けになっていると思います。

ガイド(二松):
自分はEDではない、たまたま疲れているだけと受診しない方も、ED治療薬リピーターが多いという現状を知れば、気持ちに変化が起きるかもしれませんね。

曽根先生:
全く躊躇する必要はありません。男性だれもが直面する問題ですし、それはED治療薬で克服できます。ED治療薬は、2人のよい関係を作り出す補助薬です。そんな場面ができることで、新しく別な2人の深い関係が作られれば、薬としては十分でしょう。


いかがでしたか?「セックスレス」問題の裏に潜むEDという病気。
「恥ずかしくて病院なんか行ってられるか!」というだんな様の気持ちも理解できます。
前述したとおり、女性は、抱きしめてスキンシップがあるだけでも愛を感じ取ります。

曽根先生は何度も「男性はとてもデリケートです」とおっしゃっていました。私たち女性は、そのデリケートな部分をふまえた上で、パートナーと寝室問題を語り合うことが必要です。
男性の方々には「挿入だけをSEXと思うなかれ」とご提案すると同時に、気楽に病院に行ってみると「生活に彩りが出る」という事実もお知らせしたいと思います。

●ED度チェック
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問診票

ED問診票:国際勃起機能スコア
この問診票の合計点数が21点以下の患者さんでは、EDが疑われるとされています。
もののためしでチェックしてみてください。
表はこの横です。

そねクリニック 曽根正好先生
〒160-0022 東京都 新宿区新宿3-32-8 新宿中央口ビル3階
tel 03-3356-3888
最寄駅:新宿駅,新宿三丁目駅,新宿4丁目

日本性機能学会でのEDの定義:
「性交時に有効な勃起が得られないために満足な性交ができない状態」
「通常性交のチャンスの75%以上で性交ができない状態」

 
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