改良されたW録画時の操作環境
一見したユーザーインターフェースは従来のRD-Sと変わらないのですが、動作環境に関しては大幅に進化しています。従来のRDシリーズではWチューナー録画時に実行できる機能に制限があり、あまり評判がよくなかった面がありますが、この動作環境の制限が大幅に改良されています。RD-Aは単にHD DVDを搭載しただけでなく、RDシリーズの機能を進化させているわけです。
機能 | RD-A600/A300 | RD-S600/S300 |
DVD再生 | ○ | × |
HD DVD-R(HD VR)再生 | ○ | × |
HD DVD市販ソフト再生 | × | × |
HDD内タイトル再生 | ○ | × |
ナビ画面起動 | ○ | × |
番組予約 | ○ | × |
編集(チャプター編集、プレイリスト編集) | ○ | × |
追っかけ再生 | ○ | × |
TSのW録画(TS1とTS2)時の制限機能の比較 |
録画が重複するときは、自動的にチューナーを選択するメニューが表示されるのが便利。 |
RD-A1よりも長時間の録画が可能に
RD-A1は、デジタル放送の録画時にデータ放送も一緒に記録するというものでしたが、RD-A600/A300では番組に付随するデータ放送を録画しないので、同じ番組を録画しても、データ量がやや小さくなります。
HD DVDは1層メディアではHD録画の記録時間がやや短いのが弱点ですが、この変更のおかげで、放送によっては地デジHD放送(約17Mbps)の場合で最大約2時間15分の記録が可能です。これにより、今までは1時間番組2話を1枚のディスクに記録できなかったものでも、記録できるようになる可能性があるわけです。
放送種類 | HD DVD-R1層(15GB)○ | HD DVD-R2層(30GB)× |
BSデジタル(約24Mbps) | 約1時間21分 | 約2時間45分 |
地デジHD(約17Mbps) | 約1時間55分 | 約3時間54分 |
HD DVD-RへのTS録画での録画可能時間。 |
RDの戦いの舞台は次世代に
RD-A600はデジタルWチューナーを搭載したのはもちろん、新世代RDの操作環境を搭載し、さらにRD-Sシリーズより操作レスポンスが高速化するなど、その操作環境もRD-A1から大きく進化しています。
さらにW録画時の操作環境も大きく改善されています。従来のRDはその多機能さにもかかわらず、W録画時の機能制限によって評価を下げていた面があると思うので、この改良はRDを次にステージに引き上げたと言っていいでしょう。RD-A600/A300まさにRDの正統進化であり、RDマニアにぜひお薦めしたい次世代レコーダーです。
HD DVDはBDよりもディスク容量が小さいのが弱点ですが、データ放送を録画しないことで、RD-A1よりもHD DVD-Rへのビデオ記録時間を延ばそうとするなど、細かい面での改良も進んでいます。価格的にもBDレコーダーより割安であり、HDDは600GB(RD-A600の場合)とやや大容量になっています。この水準のマシンが登場したことで、ようやくHD DVDレコーダーとBDレコーダーとの真のバトルが始まったと言っていいでしょう。
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