地デジのダビングはちょっと違う
地デジの録画をダビングする方法!
【目次】
- 地デジの録画をダビングする際の注意
- 地デジの録画をダビングする際に必要なメディアは?
- 高速バックアップとDVD-Video作成の違い
- ファイナライズとは?
- ダビングしたものを他の機器で再生するときの注意
地デジの録画をダビングする際の注意点
■コピーはできない地上波デジタル放送はコンテンツ保護のためにコピープロテクションがかかっているため、録画を「コピー」することができません。そのため、DVDに録画を記録すると、ハードディスク上の録画が自動的に削除されてしまいます(ダビング10は9回までコピーが可能)。これを「ムーブ」といいます。なお、DVDへムーブした映像は他のメディアにムーブすることはできません。
■画質がダウン
地上波デジタル放送はHD解像度あるいはSD解像度で放送されています。DR(あるいはTS)録画で録画した場合、放送と同じ解像度で録画されます。すなわちHD放送であれば1920×1080ドットの高解像度で録画されることになります。
しかし、このHD録画のデータはSD(720×480ドット)録画よりも解像度が高くなり、データが大きくなります。そのため、そのままの解像度では長時間記録することができません。このとき、DVDへの記録では解像度を低く変換して記録されます。ブルーレイなど次世代DVDであれば、容量が大きいため、この変換なしに高画質に記録することができます。
地デジの録画をダビングする際の必要なメディアは?
まずは録画を記録するためのメディアを用意する必要があります。■目的に合ったDVDを選択する
記録型DVDにはいろいろな種類がありますが、自分のレコーダーの対応している種類のメディアしか使うことができません。大きくわけて1回しか書き込みのできない「追記型」と必要に応じて前の録画を消して、ほかの番組を録画できる「書き換え型」の2種類があります。追記型はDVD-R、DVD+Rのように末尾が「R」、書き換え型は末尾が「RW」になます。パナソニックのDIGAなど一部機種では書き換え型メディアにDVD-RAMも使えます。
時間がたっても、そのまま保存しておきたいものを記録するのには追記型を使います。見飽きたら、他の番組に書き換えて再度利用したい場合は、書き換え型を使うといいでしょう。VHSと異なり、データを書き換えても映像が劣化しないのがDVDのいいところです。なお、メディアの価格は、追記型よりも書き換え型のほうが高くなります。
■地デジ録画にはCPRM対応メディアが必要
地デジやBSデジタルなどのデジタル放送を記録する場合には注意が必要です。国内のデジタル放送には著作権保護機能が組み込まれているため、著作権保護機能に対応したメディアにしか番組を記録することができないのです。DVDの場合、デジタル放送の記録には「CPRM対応」の録画用メディアが必要です。
高速バックアップとDVD-Video作成の違い
レコーダーでDVDに録画をダビングする場合、「高速ダビング」と「DVD-Video作成」の2つの選択肢があります。ここではこの2つの方式の違いについて説明していきます。なお、後述のようにデジタル放送の録画の場合、選択肢はありませんが、その理由も説明します。■ビデオレコーディング(VR)形式とは?
DVDに録画を記録するためには、2つの規格があります。それが「DVD-Video形式」と「ビデオレコーディング形式(VR形式)」です。ビデオレコーディング形式というのは、リアルタイムに映像を録画していく方式で、レコーダーのハードディスクへの通常の録画形式です。
■高速ダビングはVR形式
レコーダーに録画されているVR形式のビデオ映像をそのままディスクに記録する場合、変換などの処理が必要ないため、高速で記録することができます。そのため、VR形式での記録を「高速バックアップ」、「高速ダビング」などと呼びます。逆にハードディスクのVR記録データをDVDビデオ形式で記録しようとすると、変換のために時間がかかります。
ちなみに、VR形式でダビングする場合、ファイナライズ(これについては後述)しなければ、容量に空きがある限り、何度でも追加記録していくことができます。そのため、連ドラを毎週30分ずつ記録していくような使い方もできます。
■DVD-Video形式とは?
DVDビデオ形式といういのは、市販ビデオパッケージと同じ形式で、メニュー機能を使うことができます。この形式で作成されたディスクはDVD-Videoと互換性のあるものになり、多くのプレイヤーで再生することができます。DVDビデオ形式のディスクは、録画映像がすでに存在する状態から作る必要があります。VR録画からDVDビデオを作成するときは変換が必要になり、やや時間がかかります。
■デジタル放送がDVD-VR形式でしか記録できない理由
先にも説明したように地デジなどデジタル放送の録画はCPRM方式で著作権保護されています。このCPRM方式は、VR形式でしかサポートしていません。DVD-Videoの著作権保護形式はCSSが使われており、CPRMと互換性がないのです。そのため、地デジ録画をDVD-Video形式で記録することができません。地デジ録画の記録方式はユーザーに選択肢がなく、必ずDVD-VR形式になります。
ファイナライズとは?
高速ダビング(つまりVR記録)をするときに、機種によって「ファイナライズ」というオプションが選択できる場合があります。機種によっては、ディスクへのデータ記録時には処理が行われず、記録後にファイナライズだけを行うものもできます。このファイナライズというのは、どんな仕事をしているのでしょうか?DVDへのデータの書き込み方には極端に言えば、2つの形式があります。それは「ディスクアットワンス」と、「インクリメンタルレコーディング」です。ディスクアットワンスでは1回の書き込みでディスクへの書き込みを終了する形式です。これに対して、インクリメンタルレコーディングというのは、ディスクに空き容量があれば、複数回の書き込みをすることができる書き込み方です。ちなみにDVD-Video形式は通常、ディスクアットワンスで書き込みます。
インクリメンタルレコーディングには大きく分けてパケットライトと、マルチボーダー(マルチセッション)書き込みがあります。レコーダーの場合、おもにマルチボーダー書き込みを使います。マルチボーダー書き込みでは、書き込みをしたときに、次の書き込みができるようにしています。
しかし、もう書き込みをする必要がないときに、「これでこのディスクへの書き込みはおしまいです」ということを示すために、それを示すマークを書き込みます。この処理がファイナライズです。
通常、レコーダーでは自分でデータを書き込んだDVDの場合、どんな書き込みをしたかを記録しています。そのため、ファイナライズしていないディスクでのデータの状態がわかるので、問題なく再生することができます。
これに対し、他のレコーダーで作成したディスクではデータがないので、ファイナライズをしていないディスクを再生できないことがあります。ファイナライズをすることで、他のプレイヤーで再生できる互換性を持つようになります。
ダビングしたものを他の機器で再生するときの注意
他の機器での再生互換性のもっとも高い書き込み方式はDVD-VIdeo形式です。これなら、市販DVD-Videoと同じデータ形式なので、ちょっと古いプレイヤーでもたいていは再生できます。これに対し、ビデオレコーディング形式は古いDVD-Videoプレイヤーでは再生できない場合があります。それは初期はビデオレコーディング形式の規格そのものがなかったため、サポートしていないためです。また、初期のDVD-VIdeoプレイヤーではDVD-RWの再生ができないこともあります。これはRWが反射率が低く、初期のプレイヤーではこの反射データを読み取れないことがあるためです。
地デジのダビングディスクの場合、CPRMでコンテンツ保護されているので、CPRM機能をサポートしていないプレイヤーでは再生することができません。そのため、ある程度、古いプレイヤーでは再生することができません。
PCでの再生の場合でも、DVD-Video形式で記録した場合がもっとも再生互換性が高くなります。古いDVDプレイヤーソフトではビデオレコーディング形式の再生をサポートしていない場合があるので注意が必要です。また、地デジ録画を記録したディスクの再生では、CPRMに対応したプレイヤーを使う必要があります。地デジの普及と相まって、最近では「WinDVD8」(インタービデオ)など多くのDVD再生ソフトがCPRM再生に対応しています。
【関連記事】