デジタル放送でのEPG
BSデジタルや地デジなどのデジタル放送は、その放送データのなかにEPG情報を含んでいます。そのため、地デジ対応したレコーダーは地デジ番組を受信できれば、自動的に番組情報が取得します。デジタル放送EPGでは、番組表データを放送局自体が配信しているため、特定の局の放送を受信している間に、その局のEPG情報だけが受信されます。デジタル放送のEPGの利点は、いつでもリアルタイムに番組情報を取得することができることです。
デジタル放送では、放送電波自体にEPG情報が含まれる。 |
デジタル放送EPGでは、局ごとにEPG情報を配信している。写真はソニーBDZ-V9の画面。 |
アナログ放送でのEPG
アナログ放送では、その放送自体にEPG情報を含んで放送することができません。そのため、番組放送には使われていない帯域の電波を使って、TV放送とは別にEPG情報を配信しています。この方式の弱点は、特定の時間帯にだけ番組情報が配信されるので、その時間帯にならないと、EPG情報が更新されないということです。レコーダーの使いはじめなどでは、場合によっては半日から1日ぐらいEPGが使えないこともあります。
アナログ放送では、TV放送とは別にEPG情報を受信する必要がある。 |
アナログ放送対応機は、このアナログ放送EPGを使っているわけですが、国内のサービスには大きくわけて2つのものがあります。現在、日本国内で主流なのは「Gガイド」と呼ばれるもので、東芝以外のほとんどのメーカーのレコーダーがこれを採用しています。GガイドはIPGという会社が提供するサービスで、TBS系列を中心にEPG配信を行っています。
Gガイド対応EPGでは、番組表の利用と引き替えに自動的に広告が表示されることになっています。このGガイドのアナログEPGの利点は日本本土のすべてのエリアで受信できることです。
GガイドEPGには画面の端に広告が入る。写真はソニーBDZ-V9の画面。 |
これに対し、東芝のアナログ放送対応レコーダーは「ADAMS」というEPGサービスを使っています。ADAMSはテレビ朝日系列で配信されており、富山、福井、山梨、鳥取、島根、高知、宮崎などの、そもそもテレビ朝日系列のTV放送が行われていないエリアでは受信することができません。なお、東芝レコーダーのRDシリーズは後述するインターネットを使ったEPGサービスを併用することで、ADAMS受信可能エリアの問題を解決しています。
なお、ADAMSでは番組表に広告が入らないため、1画面により多くの番組情報を表示できるという利点があります。
ADAMS-EPGではアナログ放送EPGでも広告が入らない。写真は東芝RD-XS38。 |
インターネットを使ったEPG
インターネットを使ったレコーダーのためのEPGサービスには東芝の「iNet」があります。これは東芝によるサービスで同社のレコーダーRDシリーズでしか利用することができませんが、必要な情報を必要な時に受信できるというアナログ放送のEPGにない利点を持っています。逆に弱点はインターネット接続がなければ使うことができない点です。
インターネットを使ったEPGではユーザーが必要に応じていつでもEPG情報を取得できる。 |
東芝のインターネット接続に対応したレコーダーは、アナログチューナー搭載機ではインターネットEPG「iNet」とアナログ放送EPG-ADAMSの情報を統合した「WEPG」というEPGシステムを搭載しています。デジタルチューナー搭載機の場合、WEPGにデジタル放送EPGの情報をも統合した「デジタルWEPG」と呼ばれるEPGシステムを搭載しています。
東芝のRDシリーズのデジタルチューナー搭載機は、アナログ、デジタル、インターネットの3つのEPGを統合して表示するデジタルWEPGシステムを搭載している。写真は東芝RD-E300の画面。 |
次ページでは実際のEPG予約の例を紹介し、現在のEPGの状況をまとめます。