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愛人の子、認知請求権は放棄できない!?

認知とは、正式な夫婦ではない男女の間で生まれた子について、父親が法律上その子を自分の子であると認める手続きです。今回は、認知にまつわる諸問題について考察しました。

酒井 将

執筆者:酒井 将

暮らしの法律ガイド

認知とは、正式な夫婦ではない男女の間で生まれた子について、父親が法律上その子を自分の子であると認める手続きです。
「認知」とは、正式な夫婦ではない男女の間で生まれた子について、父親が法律上その子を自分の子であると認める手続きです。その「認知」をめぐるトラブルについて、次のような2つのケースを考えてみました。

認知請求権の放棄は無効?

【ケース1】現在、私には妻と子ども2人の幸せな家庭があります。しかし、実は以前、私には愛人がいました。そして、愛人との間に、子どもができてしまいました。愛人に子どもができたとき、既に私には、家族がありました。そのため、愛人には、子どもを堕ろしてほしいと懇願しました。しかし、愛人は私の希望を聞き入れず、子どもを生みました。そして、私に、その子を認知するよう求めてきました。

私は、戸籍に認知の記載が載ることにより、家族に、愛人や子どもがいることを知られてしまうことをおそれました。そこで、私は、愛人に300万円を支払って、認知の請求をしないことを約束させました。「今後、一切認知の請求をしません」という誓約書もとりました。

ところが、それから5年が経過したある日、愛人が、「やはり父のない子はかわいそうだ。だから認知をしてほしい。あなたが子の認知をしないなら、家庭裁判所に訴える」と言ってきました。

前述のとおり、愛人は、すでに認知の請求をしないことを約束しており、その旨の誓約書もあります。私は裁判で勝てますよね?

認知してくれなかった実父の遺産を相続できる?

【ケース2】私の母は、大会社の社長の愛人でした。私はその社長と愛人である母の間に生まれた子です。社長であった父は、私を認知してくれなかったので、戸籍上私には父がいません。昨年、私を認知してくれないままに、父は亡くなりました。父には、多額の遺産があったと聞いています。
私は父の遺産を相続できますか?

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