砂漠レースに必要なモノ
2007年フランス・トランスアキテーヌ。レース前の荷物。砂漠で生き抜く全てのツールを自分で背負う(峯澤)。(c)m.minezawa |
峯澤:それが、すべての持ち物は、基本的には自給自足で、自分で背負います。水だけは、1日約10.5リットルまで支給されます。
ガイド:食料も? お弁当とか出ないの?
峯澤:全部自分で考えてパッキングしなくてはいけません。また、「必須装備品」というのが決まっていて、それらをすべて持たないと参加させてもらえないんです。食料については、1日最低2100キロカロリー分を持つことが義務づけられています。
すべて自分が責任を負う
1日ごとにジップロックに入れて持って行く。「どんべい」と赤味噌の味噌汁で味噌煮込みうどんを作るなど、あるもので工夫して少しでも楽しむ(峯澤)。(c)m.minezawa |
ガイド:でも、モノの貸し借りとかはあるのでは?
峯澤:ありますが、あんまり頻繁に人に借りたり、頼っている人というのは、精神的にも弱いのか、すぐ脱落していきます。
ガイド:つまり、すべてが自己責任?
峯澤:そういうことになりますね。
便利なモノは邪魔?
ナミビア・フィッシュリバーキャニオン、世界で2番目に大きな渓谷。急勾配の坂や川、崖のぼりと変化に富んだコースでしかもとても暑く、初日にしてリタイア者続出。たった15キロでトップとラストランナーの時間差はなんと6時間(峯澤)。(c)m.minezawa |
ガイド:峯澤さんは?
峯澤:このレースに参加するようになってから、モノに対する判断力が付いた気がします。
「これ、いいかも」「また使うかも」という、モノに対する執着とか所有欲がなくなって、「要らない!」っと即決できるようにりました。
達人ランナーになると、モノを持たない代わりに、創意工夫でしのぐワザが身に付くそうです。スリーピングマットを持たずに、キャンプで出るダンボールを敷いたり、コッヘルを持たずに、ペットボトルの底を切って食器にしたり。なんだか楽しそうですね。