その2・りんごの木箱
りんご産地にお住まいの方、1950年代以前生まれの方以外は、なじみのない箱かもしれませんが、産地では今も、この箱でりんごが流通しているそうです。消費地に送られる時点で、りんごはきれいな段ボール箱に詰め替えられるため、産地以外の人が木箱を目にすることはありませんが、昔はこの箱で消費地まで届けられていたそうです。深さがあるから、ベランダ菜園にもピッタリ |
木箱で家具?
2005年に東京の世田谷文学館で開催された『花森安治と「暮らしの手帖」展』では、りんご箱をいくつか組み合わせて実際に作られたその家具が展示されていましたが、とっても可愛いし、子供が喜びそう! って思いましたよ。現在でも、センスのいい人がいろいろな用途で活用しているそうです。家具としてそのまま使うには、仕上げがされていないので、表面にやすりをかけたりしなくちゃなりませんが、たとえばベランダガーデニングのプランターとして、なんていう使い方もアリですね。プラスチックのものより断然美しいです。
これはやや年季がいったもの。新品希望の場合、業者さんに相談してみよう |
名もない人々の歴史
「作家物」「デザイナーズ物」ではなく、農作業や手仕事の長い歴史の中で、無名の使い手と作り手の間で、誰がともなく自然に決まったカタチ・規格、それが「アノニマスなデザイン」。いろいろな使い方ができて、とっても丈夫なのが共通点です。あなたの周りにもあるかもしれません。*関連リンク*