「X=天職」ってナニ!?
ふるさとの町づくり、米づくり、間伐材の利用、訪ねてくる旅人の”X”探しのお手伝い――塩見さんの”X”は多様 |
ガイド:最近のキーワード「ワークライフ・バランス」を思わせるコンセプトですね。では、その「X」とは?
塩見:「X」とは「大好きなことであり、天職」と考えてください。
ガイド:でも、「天職」って何でしょう? 大好きなことがある人はたくさんいますが、それがイコール天職とは思えません。だって、好きなこと=天職、だったら、世界中ミュージシャンとサッカー選手だらけになっちゃいますよ?
塩見:(笑)確かに、「X」と、ただ単に「好きなこと」の違いは微妙ですが、その違いは「社会的な公益性」。つまり、社会(周囲)の役に立つものであるかどうか、だと思うんです。「介護」や「教育」といった、もともと社会的貢献度の高いものはもちろんそうですが、たとえそれが「音楽」や「スポーツ」であっても、その人の音楽やスポーツが社会にとって有意義なものである限り、皆から必要とされる=結果、「食っていけている」。それこそが「天職」ということなのです。「ありがとう」の代わりですね。
ガイド:なるほど! 好きなことをやって、それで世間様が食わせてくれたら、それは天職、ってことですね。
今を大切にしつつ、遥かな遠くを夢みる思想
味噌は自家製。奥様は自然食料理の研究家 |
・地球、環境、持続可能性(サステナビリティ)
・コミュニティ、地元
・家族
・瞑想、散歩、思索(精神性)
・小さな農、採集(身体性)
・手仕事、アート
・天職、ミッション、役割
・情報発信
「今いるところ、今あるものを大切にしながら、遠い未来の子孫と、遠い国の人々に思いを馳せる生き方」が想像されます。それは、シンプルライフ的考え方とも大きく重なります。
深い! 半農半Xの世界
このユニークな、しかし、今の時代にとても必要なものに思えるコンセプトを提唱する塩見さんご自身は、とても謙虚で物静かな人でした。半農半Xのコンセプトは、ここでは紹介しきれない深さと広がりがあるものです。興味のある方は、是非塩見さんの著書やサイトで、その世界にふれてみてください。
【関連リンク】
- 関連記事「ロハスの先にあるもの パーマカチャー」‥‥こちらも”農”のある暮らし
- 関連記事「ロハスって何?」‥‥ロハス~パーマカルチャー~半農半X?
- 塩見さんのサイト塩見直紀ホームページ‥‥Xを探している人、答えが見つかるかも
- 著書『半農半Xという生き方 実践編』(ソニーマガジンズ)……ほか多数。台湾でも翻訳されたものも